こどもが少し反抗的な行動をする。受け流してもいいの?
日々お子さんとかかわる中で、「こんなときどうしたらいいのだろう?」という悩みや不安はなかなか尽きないもの。そんな親御さんのお悩みに、モンテッソーリ教師あきえが、寄り添いながらお答えする『教えてあきえ先生!子育てお悩み相談室』。
今回は「こどもが反抗的な言動や行動をする」というご相談です。お子さんが「わかったってば」「はいはい」などの反抗的ともとれるような姿を見せることに、どうしたらよいか悩んでいらっしゃる方もいるのではないでしょうか。その理由や対応のポイントについて、あきえ先生に教えてもらいました。
目次
【お悩み】こどもが反抗的な言動や行動をとります。受け流してもいいのでしょうか?
【答え】甘えは受け入れつつ、適切なコミュニケーション方法を身につけられるようサポートしましょう。
自分に対して良好的ではないコミュニケーションを何回もとられると、傷ついたり、悲しいと感じたりしているつもりはなくても、結構こたえたりしますよね。本当にお疲れさまです。
なぜこういう姿が見られるのか?
このような姿は、4歳ぐらいから徐々に見られるかと思いますが、小学1年生ということで環境が大きく変わっていることも影響していると思います。ご質問いただいた6月は、ちょうどその疲れが蓄積されていっているころだと思うんです。
お子さんも、やっぱり学校では我々大人が思っている以上にがんばっているし、気も遣っているんですよね。環境が変わって2ヶ月。まだまだ自分をさらけ出せるわけではなく、馴染むために周りに合わせようとすることのほうが多いと思います。その反動のようなものは、あると思うんですね。
さらに、お母さん、お父さん、あるいは家庭は、自分のことをまるっと受け入れてくれるというのが分かっているから、甘えている部分もあるんじゃないかなと思います。
そして、今回の場合は、小学1年生ということなので、少しずつ親から分離しようとしているということも大いに関係していると思います。「乳幼児期」から「児童期」という新しい発達段階に進んでいて、両親という存在がこれから徐々に遠い存在になる。親よりも、友人のほうが優先順位が高くなっていく。その一歩なんですね。
どのように対応したらよいのか?
すべてをその場で直そうとしなくて大丈夫、というのが1つの指針です。
ただ、全部をさらっと流してしまうと、「このかかわりでコミュニケーションが成立している」という間違った学習をさせてしまうのではないかと心配になりますよね。
そこで、ポイントを3つご紹介します。
ポイント①絶対に言ってはいけない言葉、本当に自分が傷ついた言葉はその場で伝えてOK
例えば「うるせー」とか「ばか」とか言ってはいけない言葉、言葉の暴力になり得るような言葉をいったときには、「その言葉は使わないよ」と間髪入れずに伝えていく。さらには、言われて悲しいとか傷ついたという感情を我慢する必要はないので、「今そういうふうに言われて悲しかった」「お母さん傷ついちゃった」「お父さんびっくりしたな」と伝えて大丈夫です。
ポイント②ちょっと気になる言葉の場合、直そうとせず、大人が正しい言葉で言い換える
言葉の暴力にはなっていないけど、そのお願いのしかたってどうかな、というようなちょっと気になる言葉の場合。おすすめなのは、直すのではなく、適切な言い方を伝えていくということです。
具体的には、こどもが「取ってって言ってるでしょ!」と強めにいったときに、例えば「お茶を取ってください」と大人が言いながら、お茶を取ってあげる。直そうという気持ちで「〇〇って言うんだよ」と言うと、「はいはい」「聞いてません」っていう感じで余計に反抗的になってしまうんですね。だから、「言ってみて」「言わなきゃだめだよ」などの補足はせず、私たちが正しい言い方をしながら、行動する。こどもは必ず聞いています。
それでもなかなか変わらないときは、「こういうときは『取ってください』って言ってくれるととても嬉しいな」とこちらの意向を伝えていく。ただこれは、毎回言おうとするとまた対立してしまうので、例えば10回に1回とか、感覚的にちょっと言ったほうがいいかなというタイミングで伝えていくのがおすすめです。
ポイント③いい姿を絶対に見逃さずに、認める
これはぜひ意識していただきたいです。稀だったとしても、「お母さん、これ取って」「お父さん、お願い」などの良好なコミュニケーションをとっている瞬間があると思うんです。そこを絶対見逃さない。「今こうやって言ってくれて嬉しかったな」「気持ちよかったな」「そういうふうに伝えてくれてありがとう」というふうに、「それよかったよ」というのをフィードバックしていくのがおすすめです。
まとめ
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