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そろばんの習い事

「習い事はいつから始めればいい?」モンテッソーリ教育の考え方

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最近の習い事は0歳児から始められるものもあり、「早く始めたほうがいい?」と焦ったり、迷ったりすることもありますよね。「お友達がスイミングを始めた」「園の課外教室に体操がある」など、3歳くらいになると、子どもの習い事について考えるきっかけもあるかと思います。習い事はさせてほうがいいのでしょうか?させるとしたら、何をどんなタイミングで?気になるお悩みをモンテッソーリ教育の考え方に沿ってお答えします。

習い事を始めるきっかけは「子どもが始めたがった時」

集中して遊ぶこども

習い事は親がやらせるものではなく、子どもの「やりたい」「興味がある」気持ちを主体にすることが基本です。この年齢になったら、この習い事を始めたほうがいいということは特にありません。周りに流されることなく、子どものペースと興味に合わせることが大切です。

0~3歳くらいの子どもは、生きているだけで刺激たっぷり! 日々「自分」を創っている時期で、まずは今いる環境に適応することが最大の課題です。そのため、あれこれ予定を詰め込んで忙しくする必要はありません。この時期は、自分のやりたいことをやりたい時に、やりたい場所で満足いくまでやれることが何より大事。そのための、空間、時間といった環境、それを見守ってサポートしてくれる大人が必要です。子どもの時間軸で動くことを意識してあげたい時期になります。

3歳半くらいになると「速く走れるようになりたい」「スイミングを習いたい」など、意思表示をしてくるようになります。これにはもちろん個人差があり、早ければいい・遅かったらだめということでは決してありません。児童期になってから具体的に意思表示をし始める子どももいます。

意思表示をし始めるきっかけ
  • お友達が習い事を始めた
  • 園で初めてサッカーをした
  • 参加したイベントでキッズダンスを見た
  • 絵本や図鑑で見たことがある

このように、自分の目で見たり、耳で聞いたりしたことがきっかけとなり意思表示をすることもあります。それらがないのに突然「サッカーがやりたい」と意思表示することはあまり考えられません。

しかし、まだ意思表示をしない年齢でも、ママやパパのリフレッシュも兼ねて、習い事を始めたいということもありますよね。そんな時は、子どもが無理なく楽しめる範囲で始めてみるのもいいと思います。しかし、行くことを嫌がるなどの傾向が見られれば、継続を検討する必要はあります。

習い事は子どものやりたい!を叶えてあげる選択肢のひとつ

遊ぶ子ども達

子どもが「スイミングがやりたい」「ピアノが弾きたい」など、自ら言い出した時が習い事の始め時。しかし、必ず習い事を始めなくてはいけないわけではありません。まずは、そのやりたい気持ちを叶えるべく、さまざまなアプローチで体験をする機会を設けてあげましょう。

子どものやりたい気持ち叶えるには?
  • 習い事の体験レッスンを受けてみる
  • 地域やショップなどがやっているイベントに参加する
  • 親や身内で教えられる人がいれば教わる機会をつくる
  • 実際にやっているところを見学しに行く

子どもが「やりたい!」と言ってすぐに習い事を始めるよりは、このような方法でまずは体験し、実際に触れられるような機会をつくるのがおすすめです。「この曜日のこの時間に必ず行く」と、すぐに固定させて、絶対にやらなきゃいけない雰囲気を作らないほうが子どもにとっても、大人にとっても気持ちが楽ですよね。まずは「ちょっと見に来てみたよ」くらいの気軽な気持ちからスタートしてみましょう。そうすることで、子どものペースや主体性を尊重していくことに繋がります。

「練習しない」「休みたいと言い出す」そんな時は?

甘える子ども

体験をし、いざ習い事を始めたものの「ピアノの練習をしない」「『今日は行きたくない』と言い出す」などの姿を見せる日もあると思います。その時に最も大事なのは、子どもとの対話です。

子どもへの声かけ例
  • ピアノの練習をしたくないのはなんで?お母さんと一緒に弾いてみない?
  • 先生のことが気になるなら、違う曜日に変更してみる?
  • 体操を習って逆上がりができるようになりたかったんだよね。この練習をすると腕の力がついて、逆上がりができるようになるって先生が言っていたね。やってみよう!
  • 一人で行くのがさみしいなら、お父さんが一緒について行こうか?先生に相談してみるよ!

「この練習をすることに意味があるかがわからない」「振替レッスンで嫌な経験をした」「お友達がいなくてさみしい」など、習い事自体が嫌なわけではなく、部分的に嫌なところや気になることがある場合があります。そういう時はこのように、対話をする中で解決することもできますよね。うまく言語化できない子には、大人が気持ちを引き出す声かけを意識してみてください。この対話の中だけでジャッジする必要はありません。「そうなんだ」と言って、受け止めながら、子どもの様子を見て進めていけるといいですね。

本当に辞めたいのであれば辞めてもOK!

中には、習い事に行く前に大泣きして「行きたくない」と意思表示をしたり、対話しても解決しなかったりすることもあると思います。そんな時は、無理に続けなくても大丈夫。「あなたがやりたいと言ったんでしょ?」「途中で辞めるなんて月謝がもったいない」という気持ちもありますよね。サンクコスト効果と言って、すでにこれだけ入会費や月謝を払っているから続けないともったいないという気持ちになりやすいのです。

しかし、自分がやりたくないということを続けることは、残念なが子どもの糧にはなりません。私たち大人に置き換えても、自分がやりたくないことを嫌々続けなくてはならない状態はとてもつらいですよね。「やっていて楽しい」→「またやりたい」という気持ちを経験し、子どもの内側から意欲が出てくることが重要なのです。

習い事を辞める前に試してみること
  • 曜日やクラスの変更などができないか確認する
  • 数ヶ月休会することを提案する
  • お金の意味を理解できる年齢の場合、「今月で辞めることにしようね。でも、この日まではお月謝を払っているから、そこまで続けるのはどう?」

まとめ

子どもの習い事についての考え方についてをお話してきました。どのような考え方だったか、おさらいをしましょう。

子どもの習い事についての考え方
  • 子どもの「やりたい」気持ちを主体にする
  • 子どもが意思表示をしたら、体験する機会を設ける
  • 習い事を嫌がった時は、何が嫌なのかを対話を通して引き出す
  • 辞めたいのであれば無理に続けなくても大丈夫

いきなり習い事を始めるのは、親にとっても子どもにとってもハードルが高いものです。しかも、習い事にはお金も時間もかかりますし、先生との相性も重要なので、慎重に選びたいですよね。習い事への種まきという意味も込めて、まずはお散歩をしたり、いろんな場所にお出かけをしたり、さまざまなイベントに参加したりと、子どもにたくさんの原体験の機会を作ってみるのはいかがでしょうか?

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この記事を書いた人
本間綾
本間綾
ライター

出版社勤務を経て、出産を機にフリーランスに。育児書や児童書、Webメディアなど、ママパパ向けの媒体での執筆がメイン。7歳と11歳の娘の母。