叱ることは必要?本当に伝わるこどもへの伝え方の3つのコツ
こどもがこちらのやってほしいことをやってくれない。やめてほしいことをやめてくれない。
「何度言ったらわかるの!」「もう、ちゃんとして!」などと言いたくなってしまったことは、多くの方が経験されたことがあるのではないでしょうか。
「何度言っても伝わらない」「叱り方がわからない」「叱ってしまい自己嫌悪に陥る」そんな不満や不安が、ちょっと視点を変え、伝え方を工夫することで、解消するかもしれません。
今回の記事では、モンテッソーリ教育の視点から、そもそも叱ることは必要なのかということや、こどもへの伝え方の3つのコツをご紹介したいと思います。
先に結論からお話ししてしまうと、実はモンテッソーリ教育では”叱ることは必要ない”という風に考えています。どうして必要ないのでしょう。こどもの育ちを助ける上で大切なことを踏まえながら見ていきましょう。
叱ることは必要ない?意識したいかかわり
冒頭で結論を述べてしまいましたが、実は子育てには“叱る”ことは必要ありません。
「いやいや、ちょっと待って、しつけは必要でしょう」
「甘やかしたら好き放題するようになるでしょう」などと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
もちろん「いけないことはいけない」と線引きし、物事の善悪やマナーは伝えていく必要があります。しかし、日常の中で、こどもを威圧的に叱ったり、大きな声で叱ったりということには、少し慎重になりたいところです。
その理由は、こどもと大人は経験の差や実力の差はあっても、あくまでも存在は”対等”だからです。
叱るというのは、目下の者の言動のよくない点などを指摘して、強くとがめる行為であり、両者の間に上下関係が存在します。
つい、こどもがいけないことをすると叱って言い聞かせようと思ってしまいますが、こどもは今まさに物事の善悪やマナーを知り、身に付けている最中。そのことを配慮して、「叱る」のではなく、「伝える」かかわりにチェンジすることがおすすめです。
叱ることでこどもが感じること
叱る必要はないと言われても、強く言ったほうがこどもに響くのでは?と感じられることがあるかもしれません。
しかし、怒られたり叱られたりしたとき、こどもの中には「また言われた」「怒られちゃった」という印象が強く残ります。
そして、肝心な「どうしたらよいのか」「何がいけなかったのか」ということを知ることができないということが起きるのです。
そのため、何度も言っている大人と、どうしたらよいのかが分からないこどもとの間でギャップが生まれ、大人にとっては「何度言っても伝わらない」、こどもにとっては「また怒られた」という状況になってしまいます。
そのため、「叱る」 ではなく 「伝える」 ようにしていきましょう。
こどもへの伝え方の3つのコツ
それでは、やってほしくないことや、やってはいけないことについて、どのように伝えるとよいのでしょうか。ここからは、3つのコツをご紹介します。
①肯定的な言葉で伝える
1つめのコツは “肯定的な言葉で伝える” ということです。
「〇〇しないでね」と否定形で言うよりも、「〇〇してね」と肯定形で言うほうが、何をすべきかがこどもに伝わりやすくなります。
例えば「走らないで」と言われたらあなたはどうしますか?立ち止まるでしょうか。歩くでしょうか。
その答えは状況にもよるかもしれませんが、「ここでは歩いてください」と言われたほうが、すべき行動が明確ですよね。
他にも「椅子に立たないで!」と言う代わりに「お尻を椅子につけて座ろうね」などと言うことができます。こどもに何かを伝えるときは、肯定的な言葉というのを意識してみてください。
②具体的に伝える
2つめのコツは “具体的に伝える” ということです。
大人がつい使ってしまいがちな「ちゃんとして」や「しっかりして」というフレーズは、とても抽象的で、特に0〜6歳の乳幼児期のこどもにとってはわかりづらい表現です。
そのため、できるだけ具体的な言葉で伝えるようにするのがおすすめです。
そして、どうするとよいのか見せることができるときは、やって見せるのもおすすめです。
特に年齢が低いうちは言葉で伝えるよりも、見せることで伝わりやすい場合があります。
例えば「ちゃんと片づけて!」という代わりに「○○は△△に片づけようね」と言って実際に片づけるところを見せることができます。
こどもに伝わっていないなと感じたら、ぜひ”具体的に伝える”ということを意識してみてください。
③繰り返し伝える
そして3つめのコツは “繰り返し伝える” ということです。
先ほど見てきた “肯定的” で “具体的” な伝え方をするとこどもが劇的に思うように動く!という魔法のようなものではありません。
こどもは、色々なことを試したり失敗したりする中で、善悪や制限を学んでいる最中です。
そのため、3つめのコツである”何度も繰り返し伝える”かかわりを重ねることで、こどもは社会のルールを自分の中に徐々に取り込み、育んでいくことができます。
また、まだ脳の発達が未熟なために、頭で理解はしていても、行動に移すには相当な意志力を必要とします。大人でも、例えば、ダイエットしようと決意し、そのためには走らないといけないとわかっていても、継続ができない、というようなことはありますよね。
こどもの成長は長い時間をかけて成し遂げていくことであるため、大人からしたら「また」と思ってしまうようなことでも、根気よく、繰り返し伝えていきたいですね。
心を育むお手伝い、モンテッソーリマインド
こどもたちは、今まさに、心を育んでいる最中です。大人を困らせるために、または、叱らせるために大人がやってほしくないことをわざとやっているわけではありません。
どのようにしたら、こどもが社会のルールや善悪を学んでいくことができるか。いかにこどもが健全な心を育むお手伝いができるか。こどもは大人を含む環境からいろいろなことを吸収するからこそ、私たち大人が「こどもを “個” として尊重する」というモンテッソーリマインドをもってこどもに接していきましょう。そのような大人の姿勢を、こどもはそのまま吸収していきます。
まとめ
今回は「叱ることは必要ない」というところからお話ししてきましたが、どのように感じられたでしょうか。最初は、意外に思われたり、かえって不安に思われたりした方もいたかもしれません。しかし、こどもは今まさに発達途中にあり、大人と対等であるべき存在だという視点から見ることで、“叱る” ことについて見直すきっかけになれば幸いです。
そして、今回ご紹介した “伝え方の3つのコツ” をぜひ試してみてください。
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