「脅し」の落とし穴とは?モンテッソーリ子育て、おすすめ声かけ3つのポイント

わくわくするイベントが盛りだくさんの夏休み。一方で、子どもと過ごす毎日、物事がスムーズに運ばず困ってしまうこともありますよね。

急いでいるのに、子どもが動いてくれない。しなければならないことがあるのに、やめてほしいことをなかなかやめてくれない。そんなとき、「早くしないと鬼が来るよ」「それをするとママ怒るよ」など、つい脅し言葉を使ってしまうという方もいらっしゃるかもしれません。

たしかに、脅すことで「子どもが動いてくれる」と効果を感じることはあるでしょう。しかしこの脅しの効果は、実はとても短期的なもの。モンテッソーリ教育では、子どもの主体性自立が重視されますが、脅しを続けることで、こうした力の育ちをさまたげることにもつながっていきます。

では、代わりにどのような声かけをするのがよいのでしょうか。脅すことによって生じるデメリット、”脅しの落とし穴”とともに見ていきましょう。

脅しの落とし穴とは

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脅し表現はなぜ避けた方がよいのでしょうか。そこにはふたつの大きな理由があります。

自分で考え、行動する力が育めない

何度声をかけてもお片付けしてくれなかった子どもが、「片付けないと捨てちゃうよ」と脅すことで急いで動いてくれる。

このような子どもの動きは、一見「子どもが自分の行動をコントロールしている」と大人の目に映るかもしれません。

しかしこれは、あくまで脅しありきの行動です。子どもは「いやだからする」「怖いからしない」と、脅されているから動くのであって、自分で善悪を考えたりルールを認識した上で考え、判断し、行動しているわけではありません。

これでは、子どもは「なぜそれが必要なのか」という肝心な理由が分からないため、脅しがない状況では行動ができず、脅され続けないと動けないという負の循環に陥ってしまいます。脅しにより、子どもが自分で考え行動する力、すなわち自立心を育みづらくなってしまうのはこのためです。

心や信頼関係に与える影響

たとえば「お支度しないと置いていくよ」という脅しの言葉をかけたとしても、実際に子どもを置いていくということはまずしませんよね。

大人にとって「現実では起こり得ない」と分かる些細な言葉も、子どもにとっては“言葉と行動が一致していない嘘“になります。そして、言葉と行動の不一致が繰り返し起こると、子どもはしだいに「自分が一人の人間として尊重されていない」と感じるようになっていきます。大人も、不誠実な扱いを受けるとそんなふうに感じてしまいますよね。

子どもにとって誰よりも大切なお父さんやお母さんからの言葉であればなおさら、脅しは子どもの心や信頼感に大きな影響を及ぼします。

また、脅しにより不要な恐怖心をあおることで、本来であれば一人でできることも「怖いから一緒にやって」と大人に依存するようにもなりかねません。

脅したくなったらこう変換!声かけ3つのポイント

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脅しの言葉が出そうになってしまったら、次の3つのポイントを意識した声かけに変換してみましょう。

①子どもの気持ちを受け止める

まずは子どもの気持ちを受け止め、代弁してあげましょう。

「お着がえ、今はしたくないんだね」「どうしてもこれがほしいんだね」。子どもの思いに寄り添い、彼らの気持ちをひとこと言葉に置き換えてあげることで、子どもは「パパやママはわかってくれている」と感じ、安心することができます。

②具体的に伝える

気持ちを受け止めたら、今度は子どもにやってほしいことを伝えましょう。コツは、”具体的に”言葉にしてあげるということ。

「しっかりして」「ちゃんとしてね」という表現は抽象的で、0~6歳の乳幼児期を過ごす子どもたちには理解が難しいフレーズです。「この本を本棚に戻そうか」「座ってごはんを食べようか」というふうに、やってほしいことを具体的な言葉にしたり、実際にやってみせてあげるなど伝え方を工夫をしましょう。

③行動の必要性を伝える

子どもが言葉をある程度理解できるようになってきたら、「なぜ必要なのか」「どうしてしてはいけないのか」など、行動の必要性を伝えることも大切です。物事の本質を伝えてあげることは、子どもが自分で考え、判断し、行動する力につながっていきます。

同時に、現実世界で起こり得るリスクを伝えてあげることも意識してみましょう。「歯みがきしないと虫歯になるよ」「そこを走るとケガするよ」といった表現は”脅し”ではなく、”リスクを知らせる声かけ”。子どもが、行動の必要性や目的への理解を深めるために必要な情報です。こうした情報は、絵本や図鑑を使い視覚化してあげると、子どもにも分かりやすくおすすめです。ただ、必要以上に怖がらせるようなお話の仕方は避けましょう。

なにより大切なのは大人の忍耐力

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この3つのポイントに従ってみても、「1回では動いてくれない」「子どもが聞いてくれない」ということはあるでしょう。また、目の前の子どもに大きな変化が見られず、もどかしさを感じることもあるかもしれません。

即効性を感じる脅しに代わる魔法のような方法は、残念ながらありません。大切なのは、諦めずにこうした声かけを忍耐強く”繰り返す”ことです。”繰り返し伝える”というのは、すぐに結果が見えるとも限らず、シンプルですが難しく忍耐がいる作業です。

しかし子どもたちの長期的な発達を見据え、大人が根気よく子どもと向き合っていくことは、彼らが自分で考えて行動する力に必ず結びついていきます。私たちの忍耐的な声かけこそが、モンテッソーリ教育で大切に考えられる、子どもたちの主体性や自立の育ちの助けになっていくのです。

まとめ

今回は、脅しに代わる声かけのポイント3つをお伝えしましたがいかがだったでしょうか。

「忍耐が必要だとは分かっていても、つい感情的になってしまったり、即効性のある言葉を言いたくなってしまう」という方も少なくないかもしれません。急いでいるとき、どうしても子どもが動いてくれないとき、つい脅し表現を使いたくなってしまうというのは誰にでもあることだと思います。

簡単なことではありませんが、まずは「脅しは使わない」と心に決め、「脅してしまいそうになったらぐっと我慢」を意識することから始めましょう。この”ぐっと我慢”を繰り返すことで、子どもだけでなく、子どもとかかわる大人自身の成長にもつながっていくはずです。

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