いい子!えらい!はNG?モンテッソーリ流 諦めない心を育む、こどもの褒め方
こどもがなにかをしたとき、「いい子!」「えらい!」「すごい!」などの言葉を使って褒めることはありませんか?モンテッソーリ教育では、このようにおだてたり、褒めちぎったりする必要はないと考えられています。それには科学的根拠もあります。
「それじゃあ、どうやって褒めたらいいの?」と思いますよね。
この記事では、なぜおだてたり褒めちぎったりする必要がないのか、どのように表現したらよいのかということを3つのポイントと具体例を交えてお伝えしていきます。
褒めることは必要ない!?
こどもが「みて!」と絵を持ってきてくれたり、片づけをしたりしたときに、こどもを褒めたいけれど、ついつい「すごい!」ばかり言ってしまうということはありませんか?また、よりこどものやる気を引き出すために「天才だね!」「えらいね!」「いい子だね!」などと言うこともあるかもしれません。
しかし、こどもを褒めるときには、こどもをおだてたり、褒めちぎったりする必要はありません。「褒める」代わりに「認める」声かけがおすすめです。さらにこのとき、こどもの行動や努力、プロセスに焦点を当ててみましょう。
例えば「すごい!」「才能があるね!」などとおだてる代わりに、「絵を描いたんだね!赤いクレヨンで描いたんだ」などと伝えることができます。あるいは、「あなたはえらいね!」「いい子だね!」と褒める代わりに「自分で片づけたんだね!●●を元の棚にしまったんだね」などと伝えることもできます。
それでは、なぜ、プロセスにフォーカスした認める声かけがおすすめなのでしょうか。
実は、「頭がいいのね」「いい子ね」などと人格や才能、結果を褒められた子は、行動や努力、プロセスを褒められた子と比較すると「失敗」に対する捉え方が違ってくるという研究結果があります。人格や才能、結果を褒められた子は、なにかうまくいかなかった際に、「自分がだめだから失敗したんだ」「自分には力がないからできないんだ」など、自分の人格や才能が原因で失敗したんだと感じ、「がんばってもできない」と捉えやすくなると言われています。一方、行動や努力、プロセスを褒められた子は「やり方がいけなかったんだ」「だったら次はこうしよう」など、自分の力を信じて、「努力をすればできるようになる」と試行錯誤するようになるのです。
また、おだてたり褒めちぎったりするとき、実はこどもをコントロールしようとする大人の思惑が隠れている場合もありますよね。しかし、このような声かけを続けていると、こどもがなにか行動するときに「大人に褒めてもらうこと」が目的になってしまう可能性もあります。大切にしたいのは、こどもが自分の内側から湧き出る興味や関心にそって行動すること。
そのため、おだてたり、褒めちぎったりする代わりに、プロセスを「認める」声かけやかかわりをしていきましょう。
「褒める」を「認める」にするかかわり、3つのポイント
それでは、実際にどのようなことを意識するとよいか、例を交えながらポイントを見ていきましょう。
①こどもがしたことをそのまま言葉にする
1つ目のポイントは、こどもがしたことをそのまま言葉にするということです。こどもが描いた絵や作品を見せてくれたときの声かけ例を見てみましょう。
②行動や努力、プロセスにフォーカスする
2つ目のポイントは、行動や努力、プロセスにフォーカスするということです。こどもがごはんを食べているときや、なにかをがんばったときの声かけ例を見てみましょう。
③共感したり、感じたことを伝える
3つ目のポイントは、共感したり、感じたことを伝えるということです。
なにか達成したときに一緒に喜んでくれる人がいるということ、自分がしたことで誰かが喜んでくれるということ。このような経験は、自分の存在を認め、生きる喜びにもつながっていくので大切にしていきたいですね。①②の声かけに慣れてきたら、プラスアルファでやってみるのもよいと思います。
それでは、こどもがなにかを達成したときや、誰かのために行動してくれたときの声かけ例を見てみましょう。
こどもに「わたしすごい?」「えらいでしょ?」「ぼくいい子?」などと聞かれたら
ここまでお伝えしてきたことを参考に「認める」声かけをしよう!と思っていても、こどものほうから「すごい?」「えらい?」などと聞かれ戸惑ってしまうことがあるかもしれません。
このようなとき、こどもは「見てほしい」「認めてほしい」という想いから「すごい?」「えらい?」などと表現していることが考えられます。そのため、その気持ちを受け止めつつ、同じように3つのポイントを意識して「認めるかかわり」をするとよいでしょう。「うん!たくさん色を使って描いたんだね」「自分で●●したんだね!」「うん!●●してくれて嬉しいよ!ありがとう」などと伝えていくことができますね。
こどもが「すごい」というフレーズにこだわっているのであれば、「すごいね、丸をたくさん描いたんだね」などと言っても大丈夫。ただ、「すごい」や「えらい」の他の表現方法を知らないということも考えられるので、表現の幅を広めるためにも、さまざまな言葉を使いながらこどものありのままを認めていくとよいでしょう。
まとめ
この記事では、なぜ「褒める」代わりに「認める」かかわりが必要なのかということ、そして、こどもを褒めたいと思ったときの声かけのポイントについて、具体例を交えながらお伝えしてきました。声かけ例はあくまで例として、みなさんが日常で遭遇するさまざまなシチュエーションに合わせて、3つのポイントを意識しながら表現してみていただけたらと思います。
人格や才能、結果を褒めるのではなく、こどもの行動や努力、プロセスを認めるかかわりをしていくことで、こどもの ”自分を信じる力” を育んでいきましょう。
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