ついやってしまう!「良かれと思って」の先回り育児が子どもの自立を妨げる?!

子どもが服を着るのに苦戦している。牛乳を自分でコップに注ごうとしてこぼしそう。日常の中でこういった場面は多々あるかと思います。こんなとき、あなたはどのように対応しますか?

大人から見て「失敗しそう」という子どもの様子を見ると、ついつい手を貸したくなったり、指摘してしまいたくなったりするところですが、もしかしたら、それが子どもの自立を妨げることになっているかもしれません。

この記事では、子どもの自立を育むために意識したいことやかかわり方についてご紹介したいと思います。

自立のために失敗することの大切さ

大人でも「失敗することから学ぶ」ということはありますよね。子どもにとっては特に、失敗は自立するためにとても大切なプロセスです。

「これではできないな」と気づき、「じゃあこうしてみよう」「これではどうだろう」というように試行錯誤して自分で訂正していくことを、モンテッソーリ教育では、“自己訂正” と呼びます。この自己訂正を繰り返して「できた!」に至る瞬間に、子どもはグッと集中した姿を見せ、喜びや満足感、有能感を得ることができます。そして、このような成功体験を積み重ねていくことで、子どもは自己肯定感を育んでいき、さまざまなことに挑戦する意欲も膨らませていきます

また、成功体験を得る過程で失敗してこそ、自分で考えて自己訂正を繰り返すというプロセスを経ることができ、経験や知識を深めていくことができるのです。

そのため、私たち大人は、失敗を失敗と捉えず、受容していくことができるようにしたいですね。

不親切くらいがちょうどいい!子どもは環境を通して自ら学び成長する

それでは、子どもが挑戦と失敗を繰り返し、成功体験を積み重ねていくために、私たちが意識していきたいことはなんでしょうか?

それは、「不親切くらいがちょうどいい」ということです。ここで言う「不親切」というのは、子どもが困るようなことを敢えてやるということではありません。

子どもには、環境を通して自ら学び成長する自己教育力が備わっています。そのため、必要な環境を整えたうえで、子どもがやろうとしていることを私たち大人が代行サービスすることは避けたいということです。

例えば、子どもがボタンの掛け違いをしたまま次のボタンを留めようとしたとき、「あ、ずれているよ」と声をかけたくなりませんか?あるいは、ズボンを履くのに苦戦している様子を見て、求められてもいないのに手を貸してしまうというようなこともあるかもしれません。

私たち大人は正解を知っているため、相手が間違っていたり困っているのを見ると、ついつい指摘したり、手伝ったりしたくなってしまいます。しかし、もしかしたらボタンを最後まで掛け終えるまで見守ることで、子どもが自ら「ずれている」ということに気づくかもしれません。もう少し手を貸さずに見守ることで、試行錯誤しながらも、ズボンを履くことができるかもしれません。

子どもが自分の力でやり遂げようとしているときに、それを大人が代行することで、子どもの「できた!」の瞬間を知らず知らずのうちに奪ってしまっている可能性があるのです。そのため、少し「不親切」ということを意識して、すぐには助けないということがおすすめです。

「不親切」と言っても、「自分でやりなさいよ」と冷たくあしらう必要はありません。子どもが「困っている」「助けて」ということを発信している場合は、さりげなく手を貸してあげるようにしましょう。

子どもの自信を育むかかわり3つのポイント

それでは、「不親切」を意識したうえで、具体的にどのようなかかわりをしていくとよいのでしょうか。3つのポイントに沿って見ていきましょう。

①さりげなく手伝う

1つ目のポイントは、「さりげなく手伝う」ということです。「手を貸さない」ということをお伝えしてきましたが、年齢や発達段階によっては、大人がさりげなく手を貸すことも必要でしょう。

例えば、まだ一人で完全にできるわけではないけれど、子どもがボタンを自分で掛けようとしている場合、「一緒にやってみようか」と声をかけながら、ボタンを穴に半分通すところまで手伝い、最後の半分を子どもが一人でできるようにすると「できた!」という達成感を子どもが味わうことができます。

ズボンを履くことに苦戦していて、「手伝って」と助けを求めてきた場合、足が引っ掛かっている部分をさりげなく外して、最後に通すところを自分でできるようにする、ということもできるかと思います。

また、年齢が上がって、一人でできることが増えてきている場合は、例えば「かばんのおしたくは何をするんだったかな?」などと声を掛けて促すという手助けもできますね。

あくまでも「さりげなく」「過不足のない」手助けをするというところがポイント。全てを手伝うのではなく、がんばれば一人でもできるかなというくらいのことを最後に残すことで、子どもが達成感を味わえるようにしていきましょう。

②自己訂正できるように助ける

2つ目のポイントは、「自己訂正できるように助ける」ということです。

例えば、先ほどお話しした、ボタンの掛け違いについて考えてみましょう。

子どもが最後まで留めるのを見守ったあとで、子ども自身が掛け違いに気づいていない場合、「ボタンがずれているよ」と直接的に指摘するのではなく、「ママと一緒に鏡を見てみようか」「いくつボタンを留めたかな。パパと一緒に数えてみようか」などと声をかけてみることができます。

他にも、子どもが鏡文字を書いていた場合、どのように自己訂正できるように助けることができるでしょうか。この場合は、「パパと一緒にあいうえお表を見てみる?」と言って、書いた字とお手本をさりげなく比べる機会をつくったり、あるいは「ママもちょっと書いてみようかな」などとひとり言のようにつぶやいて、書いているところをゆっくり見せたり、といったことが可能です。

このように、子ども自らが間違いに気づくことができるよう、さりげなく促すということがポイントです。このときに、子どもが気づかなければ、そのままでも大丈夫。また別の機会があるため、一度にすべて訂正させようとするのではなく、少しずつステップしていけるように助けていきましょう。

③シンプルに認める

3つ目のポイントは、「シンプルに認める」ということです。

大人から見て理想の形になっていなかったとしても、子どもができているところを「できたね」と認めることが大切です。

こちらも先ほどと同じ例で見ていきましょう。

ボタンを掛け違えていたとしても、「ボタンを留めたんだね。一人でできたね」と伝えたり、鏡文字になっていたとしても、「『の』って書いたんだね」と認める声かけをしたりすることができます。

このときに、「すごい!」「天才!」などと大げさにほめる必要はありません。あくまで、できたという事実を言葉にして伝えるだけですが、子どもは「できた」ことを認めてもらうことで、自信にもつながりますし、次の挑戦への活力にもなるのです。

大切なのは無条件に信じる大人のかかわり

子どもの自信を育むかかわりについてご紹介してきましたが、なにより大切なのは子どもを「無条件に信じる」大人のかかわりです。

子どもは自立に向かって自らを発達させる力が備わっています。その力を最大限に発揮するためには、「大丈夫」という大人のまなざしが必要なのです。失敗を受容してもらえる、待ってもらえるという安心感が子どもの心を育んでいきます。

そして、自分に対しての信頼感を育もうとしているこの時期に、自分を信じてもらうことで、子どもは発達のエネルギーを正しい方向に発揮していくことができるでしょう。

まとめ

今回は子どもとのかかわりの中で、ついつい大人がやってしまいがちな手助けを例に、どのように子どもの自立を助けていくことができるかということをお話ししてきました。

子どもの失敗を受容したり、必要な手助けをするには、大人にとっては遠回りと感じるようなことをやっていかなくてはいけないことが多いかと思います。忙しい日々の中で、すべてに対応することはなかなか難しいでしょう。しかし、子どもは試行錯誤の末の成功体験を積み重ねることで、自信を育んでいくことができるため、私たちはその手助けを少しでもしていきたいですね。「今日は」や「ここは」と決めて取り組むのもおすすめです。「不親切」なかかわりを少し意識してみてください。

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