言葉で言えず手が出てしまう。いけない理由をどう伝える?
日々お子さんとかかわる中で、「こんなときどうしたらいいのだろう?」という悩みや不安はなかなか尽きないもの。そんな親御さんのお悩みに、モンテッソーリ教師あきえが、寄り添いながらお答えする『教えてあきえ先生!子育てお悩み相談室』。
今回は、「叩くのがいけない理由をどう伝えたらよいか」というご相談です。お友だちや兄弟姉妹を叩いてしまうというお悩みをおもちの方は少なくないと思います。このようなとき、親としてどのようにかかわることができるでしょうか。
目次
【お悩み】手が出てしまう。叩くのがいけない理由をどう伝えたらよい?
【回答】社会に出たときに「叩く」ことをするとどうなるか、という説明をするのも一つの方法です。
そうですね、これはすごく悩むなと思いますし、自分が親の立場だったら、「どうか言葉で伝えられるようになって」という願いや期待をもつんじゃないかなと思います。
同時に、この理不尽さは、大人でも、もやっとしますよね。その気持ちはとってもわかるなと思います。
「物や人を傷つける行為はしない」ということをはっきり伝えていく
叩く、蹴る、誰かに物を向かって投げる、物を投げて壊す、自分を叩いたり傷つけたり、といった物や人(自分も含む)を傷つける行為はしない、ということをはっきり伝えていく必要があります。
どうしてそこにボーダーがあるか理由を説明する
今回のお子さんのように、年齢が上がると、理由が腑に落ちないという部分が大きくなると思います。なので、なぜ叩いてはいけないのか、なぜここは一線を越えているのかというのを説明していく必要があります。
相手が嫌がっているのにやり続けるのもよくない行為ですよね。ただ、叩く、噛むなどの“暴力” という分類に入ってしまうと、人に対してはしない行為。
理由については、例えばこのような伝え方ができると思います。
「今は幼稚園の中だから『しないよ』で終わっているけど、例えば、大人になって電車に乗っているときに、隣の人が自分が持っている荷物をギュッと押してきたとする。「やめてください」と言ってもやめてくれなかった。そういうときに、殴ったり叩いたりしたら、警察に『いけませんよ』って注意を受けるのは、叩いたほうなんだよ。もし相手に怪我をさせてしまった場合は、逮捕されることもあるんだよ。法律っていう、国で決まっていることでも、人に暴力はふるわない、ふるったときには罰を受けるというふうになっている。どんなに嫌なことがあっても、大人でも、相手を傷つけるというのは絶対にやってはいけないことなんだ。だから、今回は叩いたあなたが怒られてしまったんだよね。」
どうしてそこにボーダーラインがあるか、社会に出たときにどのように適応されていくのかというのをお子さんが話が聞ける範囲で、かつ、お子さんがわかる言葉に変換してお話しをしていく。
社会ってそうなっているんだという一つの理解として伝えてあげてもいいかなと思います。
共感する気持ちを伝える
今回のケースでいえば、「理不尽に感じるのはおかしくないよ」と、私は伝えたいなと思います。はじめにお友だちがどんどんスペースを広げてきて、やめてと言ってもやめてくれなかったというのが原因ですよね。それで、先生が自分だけに怒ったという印象をもっている。もしかしたら、先生は相手のお子さんにも「戻してね」「嫌なことをやり続けていると喧嘩になってしまうんだよ」と伝えていたかもしれない。でもお子さんの印象として、自分だけ怒られたという印象だったのであれば、事実はどうであれ、それがすべてです。だから、そのコントロールできない部分は置いておいて、家庭でこのような話をしてくれたときには、「そうだよね」「邪魔されるのは本当に嫌だよね」「お母さんも仕事を一生懸命がんばっているときに邪魔されたら、もうやめてよっていう気持ちになるからすごくわかるよ」っていう共感はしてあげたいなと思います。
叩く以外の手段を一緒に考える
お子さんが身につけたいのは、叩く以外の手段なんですよね。
例えば、先生に言う、相手にやめてと言う。これは今回自分でできていますよね。大人にも助けを求めることができて、本人にも言えてよかったね、と認めたい。
もしそれでもだめだったら、なにができるかなという他の手段を一緒に考えるのも一つかなと思います。
例えば、「お母さんだったら机を離してみるかな」「先生が『どうして離しているの』って聞いてきたら、理由をお話しするとか、最初に先生に『机を離してもいいですか』って聞きに行くかな」っていうふうに言うことができますね。
0~3歳の場合は短く早く、シンプルに伝える
今回のケースでは、理由を説明していくということをお話ししましたが、お子さんが0~3歳半くらいまでは、理由よりも、「すること」「しないこと」というのをはっきり伝えて区別をつけていく必要があります。何回も何回も分類して伝えていくことで、お子さんが「叩くというのはしない」という認識になっていきます。それ以上にいろいろと説明しても伝わらないので、この時期は、とにかく短く早く、単純にわかりやすくというのが必要です。そのうえで、落ち着いてから、「●●がしたかったんだよね」「これがやりたかったんだよね」
と共感しつつ、「そういうときは、こう伝えようね」という具体的な言葉でのコミュニケーション方法を伝えていきます。
低年齢のお子さんへのかかわり方については、「こどもが叩く理由とは?【対処法】モンテッソーリ流対応3つのポイント」も参考にしてください。
まとめ
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