「子どもの権利条約月間」2023年開催レポート 参加者の98%が「子どもの権利」をもっと知りたいと回答
11月20日は「世界こどもの日(World Children’s Day)」です。世界こどもの日は、1954年、こどもたちの相互理解や福祉の向上などを目的に、国連によって制定されました。
国連やユニセフは世界こどもの日について「こどもたちにとってよりよい未来をつくるために声を上げ、行動を起こすきっかけに」と提言しており、毎年11月20日には、世界中でこどもたちが主体的に参加する催しが行われています。
関連ページ:11月20日は「世界子どもの日」(日本ユニセフ協会)
関連ページ:World Children’s Day(国連)
「子どもが尊重される社会」を目指すモンテッソーリペアレンツも、「子どもの権利を知るきっかけをつくりたい」「かかわる方の子ども観のアップデートに繋がったら嬉しい」という思いで、11月13日(月)〜12月13日(水)までを「子どもの権利条約月間」と題して、イベント・ハッシュタグ企画を行いました。
このページでは、どのようなイベントやハッシュタグ企画を行い、参加された方がどのような変化があったのかなどを含めお届けしていきます。
こどもの権利条約ってなに?
冒頭で、“11月20日は「世界こどもの日(World Children’s Day)」”とお伝えしました。この「世界こどもの日」には「子どもの権利条約」が関係しています。
あなたは、「子どもの権利条約」をご存知でしょうか?世界こどもの日である11月20日は、こどもの人権を保障する初めての国際条約「子どもの権利条約」が国連総会で採択された日でもあります。今から30年以上前となる1989年のことでした。日本はこの条約を1994年に批准しており、2022年時点で世界の196の国や地域が締約しています。
こどもも大人と同じように権利を持つ主体だと位置付けられ、「こどもが健康に成長し、人間らしく幸せに生きてゆくことは、世界中のこどもたちが持つこどもの権利だ」とされています。
子どもの権利条約、4つの原則
子どもの権利条約には、以下4つの原則があります。こどもの権利を実行するためにも、この4つの原則を常に合わせて考えていくことが大切です。
子どもの4つの権利
この4つの原則のもと定められたこどもの権利は、以下の4種類に分けられます。こちらは条文から引用してご紹介していきますね。
1.生きる権利
- 健康に生まれ、防げる病気などで命をうばわれないこと
- 病気やケガをしたら治療を受けられること
- 人間らしく生きていくための生活水準が守られること など
2.育つ権利
- 自分の名前や国籍を持ち、親や家族と一緒に生活することができること
- 教育を受け、休んだり遊んだりできること
- 考えや信じることの自由が守られ、自分らしく育つことができること など
3.守られる権利
- あらゆる種類の虐待や放任、搾取、有害労働などから守られること
- 障がいのあるこどもや少数民族のこどもなどは特に守られること
- 戦争から守られ、犠牲になったこどもの心や身体が守られること など
4.参加する権利
- 自由に意見を表したり、集まってグループをつくったり、自由な活動を行ったりできること
- プライバシーや名誉がきちんと守られること
- 成長に必要となる情報が提供され、こどもにとってよくない情報から守られること など
関連ページ:【11月20日は世界こどもの日】こどもの権利って何?今、あなたにできること
子どもの権利について考えるイベントを開催
今も根強く残る「子どもは親の付属物」、「子どものことは大人が決める」というマインド。
また、日本の子どもたちは、自己評価、自己効力感が低いことも指摘されており、幸福度調査が世界ワースト2位という調査結果もあります。
そんな現状を変えたい。
子どもも親も尊重された子育て、子どもが尊重される社会を目指したいー。
そして、「子どもの権利」について知って考える機会をつくりたいという思いで、今回2つの対談イベントを開催いたしました。
DAY1 子どもと自分のウェルビーイングのためにできること
対談では、まず「ウェルビーイング」をどう捉えるのか、という話から始まり、「子どものために」何ができるのかについて最初に対談がありました。子どもに純粋な関心を向け、声を大切していくことの重要性を感じるお話でした。
さらに後半は「自分のために」何ができるのかというテーマに。子どもの権利を守るためには、まず大人のがウェルビーイングであることが欠かせません。自分にとっての「Well」はどのような状態なのか、そして周りにいる人の「Well」はどのような状態なのか、それを知っていこう、そして大切にしていこうと思わずにはいられない時間となりました。
実際に参加された方のお声をご紹介します。
子どもの命に向き合うからこそわかる権利の話
対談では、NICU(新生児集中治療室)でのご経験が豊富な今西先生だからこそ感じる、医療現場での権利の話や赤ちゃんだけではない、母親やご家族の「権利」「幸せ」について考えるきっかけとなるお話がありました。
そして、今西先生の育児休業の話から、家庭では実際にどのようなことを意識するといいのかについても話が進みました。子どもに対して当たり前に使っている言葉も実は自分のバイアス(価値観や偏見)がかかっているのかもしれないと考えるきっかけになる時間でした。
実際に参加された方のお声をご紹介します。
チャリティ募金のご報告
本イベントでは同時にチャリティ募金を実施させていただいたました。その結果、68,849円 のご寄付を皆さまから頂戴いたしました。心から感謝申し上げます。
「認定NPO法人PIECES」さん、「NPO法人つなっぐ」さんへ寄付させていただきましたことをご報告いたします。
認定NPO法人PIECES(ピーシーズ)
https://www.pieces.tokyo/子どもが孤立しない地域をつくるNPOとして、一人ひとりのマインドセットをアップデートし社会のなかに市民性を醸成することを目指しています。子どもの権利条約の啓蒙や子どもに寄り添う市民を増やすためのプログラム「Citizenship for Children(CforC)」の運営など
特例NPO法人子ども支援センター つなっぐ
https://tsunagg.org/
虐待、性暴力、いじめ等の被害を受けた子どもに対し、医療、司法、福祉、教育など多機関多職種で連携して子どもの権利を擁護し被害からの回復に寄与することを目的としてワンストップセンター(CAC)を設立し、支援している。
今回はイベントの趣旨に賛同し、ご参加いただいたみなさん、そして寄付にご協力くださりましたみなさんありがとうございました。
参加したことで起きた変化〜98%の方の声とは〜
今回のイベントは、冒頭でもお伝えした通り、「子どもの権利を知るきっかけをつくりたい」「かかわる方の子ども観のアップデートに繋がったら嬉しい」という思いで開催しました。
イベントに参加してくださったみなさんの事前事後のアンケートを拝見し、微力ながら子どもの権利を知り、考えるきっかけになっていたらと考えております。
事前アンケートの結果
実際に事前のアンケートでは、「Q.「子どもの権利」について国際的な条約があることを知っていますか?」という質問を行いました。回答結果は、約80%の方が名前を聞いたことがあったり、内容を知っていたりするという結果でした。一方で聞いたことないという方もいらっしゃたり、「内容まで知っている」という方は10%以下という結果も出ました。
さらに、事前アンケートでは「Q.普段「子どもの権利」を尊重していますか?」という質問も。結果は、8割近い方が尊重をある程度、もしくは日常的に「意識している」という結果になりました。これは、モンテッソーリ教育に興味があったり、モンテッソーリペアレンツで学んでいたり、子育てに関心があったりと、回答した方の日頃の関心が結果に影響を与えているのではないかと感じます。
事後アンケート
2つの対談イベント開催後にも事後アンケートを行い、参加された方の権利への関心の度合いを聞きました。質問としては、「Q.「子どもの権利」についてもっと知りたいですか?」という質問を行い、ほぼ全員の98%の方が「とても思う」もしくは「思う」という結果になりました。
今回の前後のアンケートの結果からも、「知るきっかけ」があることで、今まで考えなかったことに関心が向くようになり、「もっと知りたい」という気持ちに繋がっていくのだろうと感じました。
さらに、その「もっと知りたい」という気持ちが日常のかかわりや声掛けなどに変化を与え、巡り巡って子どもにも直接影響を与えていくのではないかと思います。
SNSキャンペーン #子どもの権利
今回、「子どもの権利条約月間」に連動したSNSキャンペーン「 #子どもの権利 」も同時に開催しました。公式SNS及びモンテッソーリ教師あきえSNSから、 “子どもの幸せのために” 何ができるか?どうありたいか?を参加者とともに考えられる投稿を行いました。
多くの方にご参加くださいましてありがとうございました!
これからも子どもの幸せのために
まだまだ子どもの「権利」が保障されているとは言い難いのが現状です。しかし、一人ひとりの意識と行動とが変容することで、必ず「当たり前」が変わっていくと考えています。
こどもの権利について知るー。
私たち一人ひとりの意識の変化が、こどもたちの権利を保障する社会、そして世界の平和と幸福を形作っていくはずです。
これからもモンテッソーリペアレンツ では、こどもが尊重される社会の実現に向けて活動してまいります。
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