子どもが汚い言葉を使っている時に心がけたい4つのポイント
特に意味もなく「うんち~!」と言ったり、お友達に対して「〇〇くん、うるさい!」と言ったり。子どもの口調がきつい時や言葉遣いが汚いことにハッとすることがありますよね。なぜ、そのような話し方になるのでしょうか?
生まれて最初の3年間で言語獲得のゴールデン期
子どもは生まれた時、すでに言葉を獲得しているものではありません。持っている能力は「自分のいる環境に必要な言語を獲得する力」。この力を使って、最初の3年間で一気にたくさんの語彙を獲得し、それを洗練させていくのです。
そのために欠かせないのは、言語のインプットです。よく「赤ちゃんにもたくさん話しかけてあげましょう」と言われると思いますが、この時期にたくさん話しかけてもらって意思疎通を図り、コミュニケーションを取りながら言葉を獲得していくのです。
そんな言語獲得のゴールデン期に、心がけたい子どもとのかかわり方があります。
心がけたい4つのかかわり方
子どもの言葉遣いが気になった時は、以下の4つのポイントを心がけながらかかわっていくことをおすすめします。
①直接的に否定しない
子どもが「うるさい!」「やめろよ」などと言ってきた時の声かけについてご紹介します。
このような時、私たち大人は「うるさいじゃないでしょ!」「そんな言い方しないの!」と直接的に否定してしまいがちですよね。しかし、そうすると、子どもと大人の争いが始まってしまいます。そのため、声かけ例のように他の表現方法を伝えていくことがおすすめです。
②必要以上に反応しない
幼児期は「うんち」「おっぱい」と言うだけで転げるほどの大爆笑が起こる時期です。そこで「もう! うんちなんて言っちゃダメ~」などと反応すると、子どもはうれしくなってリピートします。大人の反応を楽しんでいる時は特に、以下のように対応しましょう。
③興味を持った時が学びのチャンス
「うんち」「おしっこ」などと言っている時は、その興味に蓋をせず、あえてうんちや身体の話をするのもおすすめです。絵本を使ってうんちが出る仕組みを説明したり、図鑑で動物のうんちを見比べたりするのもいいですね。
「おちんちん」「おっぱい」など、身体に興味を持っている時は、性教育を始める絶好のチャンス! 視覚教材を使って、男女の身体の違いや機能の違い、赤ちゃんが生まれるまでなど、性についての話をしてあげましょう。
④TPOを知らせる
食事中にずっと「うんち」と言っている。公共の場で「あの人変!」と大声で言っている。そのような場合は、その状況に合わせて制限する必要があります。
どこで線引きするかは大人の判断になりますが、人が言われて傷つく言葉や言葉の暴力につながる言葉は、はっきりと線引きをして制限しましょう。
子どもに使ってほしくない言葉は大人も使わない
子どもの言語発達を助ける上で「子どもに使ってほしくない言葉は大人も使わない」は、大前提です。
このような言葉をその時は使っていなくても、大人から言われるたびにその言葉をインプットしていきます。そして、使い方を理解するようになり、「うるさい」というチャンスが来た時、ここぞとばかりに「うるさい!」とアウトプットするようになるのです。
もちろん、親が使う言葉だけではなく、園の先生やお友達、メディアや絵本などからもインプットします。
「こういう表現のほうがいいのよ」と伝えようとしても、その表現を一緒にいる大人が使っていなくては説得力がなくなってしまい子どもに届かなくなってしまいます。
まとめ
たくさんの言語を獲得している0~6歳の乳幼児期は、どんな言葉をインプットできるかに配慮することが必要です。子どもの言葉遣いが汚いことが気になった時は、子どもの周りにどんな言葉が溢れているかにも注目し、環境を整えることも大人の役割のひとつ。
まずは一番近くにいる大人が美しい言葉や豊かな表現で話すようにしましょう。それが子どもの言語発達、情緒面の発達を助け、物事の捉え方や人格形成にも影響を与えていくのです。
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出版社勤務を経て、出産を機にフリーランスに。育児書や児童書、Webメディアなど、ママパパ向けの媒体での執筆がメイン。7歳と11歳の娘の母。