食事中に席を立つ子ども、モンテッソーリ流かかわり方と声かけ5つのポイント

一日のうちで3度もある食事の時間、子どもにはできるだけたくさん食べて栄養をとってほしいと、親ならだれもが願うと思います。しかし、実際には、食事中に何度も椅子の上に立ったり、椅子から降りて違うことを始めてしまったり、食べ物や食器を落としたり…「うちの子はなんでこんなに落ち着きがないの?」と食事に関するお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか?

この記事では、なぜ子どもがそのような姿を見せるのか、さらにどのようにかかわっていったらよいか、モンテッソーリ教育の観点を交えてお伝えしていきたいと思います。

食事中に席を立つのはなぜ?

食事は席に座って食べ、食べ終わるまで席を立たないのが世のルール。しかし、子どもは椅子の上に立ったり、椅子から降りたり、食器を落としてみたり、大人から見ると「落ち着きがない」「全然集中しない」姿を見せることがよくありますよね。

なぜこのような姿を見せるのか、3つの観点から考えてみましょう。

運動の敏感期

ひとつめに考えたいのは「敏感期」です。

モンテッソーリ教育では、子どもが「自立」に向かって自らを発達させるために、ある特定の時期にある能力を獲得しようとものすごいエネルギーを発する「敏感期」という考え方があります。

なかでも10か月から4歳前後に見られるのが「運動の敏感期」です。とにかく動きたい衝動と手を使いたい衝動が現れる時期。敏感期は同じ動きを何度も何度も繰り返すという特徴があります。

椅子に座ったと思えばまたすぐ立ったり、水の入ったコップを何度も何度も傾けてこぼしたり、大人から見れば食事のマナーがなっていないと感じるような行動も、敏感期が影響していることがあります。

乳幼児期は、まだまだ自己コントロール力が未発達な時期のため、これらの衝動を抑える力が弱いのです。

コンディション

次に考えたいのが子どもの「コンディション」です。

とても疲れていたり、眠かったり、あまりお腹が空いていないということが、食事に集中できない要因になる可能性もあります。大人でも、眠かったり、少し多めに間食をしてしまったりしたときは、そんなに食べなくてもいいかなと感じることはありますよね。なかなか食事が進まない理由として、少し見極めたいところです。また、あまりに食事の時間が長くなると集中力が切れてだらだらしてしまうことにもつながります。子どもはまだまだ集中力がなく、また満腹中枢が刺激されてお腹がいっぱいになってしまうので、食事の時間が1時間もあると食事だけに集中するということは難しいでしょう。

環境

最後に考えたいのが「環境」です。

モンテッソーリ教育では、子どもが物事に集中できる環境を整えることをとても大切にしています。

椅子に座ったときに足がぶらぶらしていると不安定になり、目の前の食事に集中できないかもしれません。また、テレビがついていたり、おもちゃが目に入るところに置いてあったりすると、目や耳からの情報に気を取られてしまうことも考えられます。

モンテッソーリ流!かかわり方と声かけのポイント5つ

それでは、具体的にどのように対策をしていくとよいか、5つのポイントに絞って見ていきましょう。

①環境を整える

1つめのポイントは環境を整えるということです。

テーブルと椅子の高さが合っているか、足は足置きにしっかりついているかなど、安定して座ることができているかを確認しましょう。またお尻が痛い、ベルトがきついなど、不快感を感じている場合もあります。子どもが座っている様子をじっくり観察してみましょう。気づいたことがあれば、椅子の高さを調整する、クッションを敷く、ベルトを調整するなど、改善することができますね。

また、子どもは、目や耳からの情報にとても影響を受けます。テレビがつけっぱなしになっていないか、おもちゃや絵本などが視界に入る場所がないか、子どもが食べることに集中できる環境が整っているかをチェックしてみましょう。テレビは時間を決めて、見ていないときは電源を切るなど制限することをおすすめします。なるべく視界に入らないように布をかけるのもおすすめです。おもちゃや絵本はダイニングテーブルから見えない位置に置いたり、子どもの席の配置を変えて視界に何も入らないようにするなど工夫してみましょう。

②ルールを伝える

2つめのポイントはルールを伝えるということです。

食事中は椅子に座ってごはんを食べる、食器は食べ物を食べるために使う、というマナーがありますよね。社会で生きていく上で必要なルールやマナーはしっかりと伝えていく必要があります。乳幼児期は自分の中に社会のルールを取り入れて適応していこうと自分をつくっている時期でもあるので、一貫したルールを設けて伝えていくことが必要です。

「食事は座って食べるよ」「ここにお尻をつけて座ってね」「フォークは食べるために使います」「こうやって使うよ」などと具体的に何度でも伝えていきましょう。道具の使い方を見せて伝えていくことも重要です。

また、席を立って別の場所に行ってしまった子どもに対しては、席に戻るように促しましょう。声をかけると同時に、年齢が低い場合は、大人が手を引くなど一緒に動いて誘導することも必要です。そのとき、食事は必ず席についてから再開するというルールも徹底しましょう。

③活動の中で子どもの欲求を満たす

3つめのポイントは、活動の中で子どもの欲求を満たすということです。すでにお伝えしたように、運動の敏感期にある子どもは、立ったり何かを落としたりということを何度も繰り返し行う様子が見られることがあります。

子ども自身も衝動に突き動かされて行動しているため、なかなかコントロールをすることが難しいもの。しかし、先ほどもお伝えしたように、食事のマナーは伝えていきたいですよね。

そこで、食事以外の場面で子どもの動きたい欲求を満たしていけるようにしましょう。例えば、公園に行ってめいっぱい体を動かせる時間をとる、何かを落としたい欲求があれば、1箇所穴が空いた容器にペットボトルのキャップを落とすおもちゃを用意するなど、遊びや活動の中でエネルギーを発揮できるようにしていけるといいですね。

④コンディションを見極め終わりを決める

4つめのポイントは、子どものコンディションを見極めて終わりを決めるということです。

子どもの食事が進まない場合、まずは子どもが今どのような状態なのか観察してコンディションを見極めましょう。

眠い、お腹がいっぱい、食事の時間が長すぎて集中力が切れてしまった、などが考えられますね。そのようなときは「あとこれだけ食べたら終わりにしよう」などと、ここまでという終わりを大人が決めてあげ、切り上げるようにしましょう。

特に集中力はなかなか続くものではないので、食事の時間は30分と決めてそれを過ぎたらおしまいにするなどの時間制限を設けることもおすすめです。

⑤大人がお手本となる

5つめのポイントは、大人がお手本になるということです。

「食事中は席を立たないよ」「座って食べようね」と伝えている大人自身が、ちょっとスプーンを取りに席を立ったり、冷蔵庫から飲み物を出すために席を立ったりなどしていませんか?

子どもに伝えていることと矛盾した行動を無意識にとってしまっていることが意外とあるかと思います。

乳幼児期の子どもはあらゆることを吸収している時期なので、そのような大人の振る舞いから「食事中に席を立ってもよいのだ」というふうに学んでしまいます。また、私たち大人が席を立つと、追いかけてくる様子が見られることもあるでしょう。

まずは大人がお手本となって、食事中のマナーを伝えていけるように意識したいですね。

食事の中で大切にしたいこと

食事は生きていくために欠かせないもので、子どもの成長にも影響するため、しっかり栄養をとって健康に育ってほしいと願うのが親心ですよね。食事のルールやマナーについて伝えていく必要もあります。

しかし、なにより大切にしたいのは、心を育んでいるこの時期の子どもには、美味しいものを味わう喜び、大好きな人と食卓を囲む楽しさを伝えていきたいということ。家庭での食事は、ただ栄養を求めるだけの時間ではありません。家族の中で「自分はここにいてよいんだ」ということを実感する場でもあります。日々のかかわりが子どもに大きな影響を与えるので、毎日の食事の時間を大切にしていきたいですね。

まとめ

この記事では、なぜ子どもが食事に集中できないのか、何度言っても立ち上がったり、食器を落としたりするのか、ということと、その対策についてモンテッソーリ教育の観点を交えてお伝えしてきました。

毎日の食事の時間に、子どもへの対応がわからず疲れている方もいらっしゃいますよね。お子さんによっては、元々食への興味が薄かったり、胃が大きくなかったりなど、前提として個人差があることは念頭に置いていただきつつ、今回ご紹介した内容を試してみていただけたらと思います。

ただ、「しっかりマナーを身につけられるように伝えなければ」「たくさん食べてもらわなければ」と力を入れすぎると、子どもも大人も疲れてしまうことになるので、楽しい食事の時間になるよう肩の力を少しゆるめていけるとよいかなと思います。

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