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「お友達と仲良くしてる?」と聞くのはNG? 一緒に遊んでなくても心配ナシ!

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幼稚園や保育園に通い始めた時、進級してクラスが変わった時など、お友達と上手にかかわることができているかが気になって「お友達と仲良くしてる?」と聞くことがありますよね。また、特に何かがあったわけではなくても、「給食は食べた?」「何をして遊んだの?」などの質問と同様に聞くこともあると思います。実はこの質問、あまりしなくてもいい質問なのです。その理由を見ていきましょう。

乳幼児の遊び方には4つのパターンがある

遊んでいる子ども

子どもは発達段階によって遊び方が違ってきます。どのように違うのでしょうか?

2~3歳ごろの子どもは「並行遊び」

クラスの中に何人かの子どもがいて、集まって遊んでいると一緒に遊んでいるように見えますよね。しかし、この頃はそれぞれが一人遊びをしていて、空間を共有しているのです。まだ周りに誰がいるのか、何をしているかは見えておらず、今、目の前にあるものに全力投球!

3歳ごろの子どもは「傍観遊び」

子どもと公園や児童館に行って、さっきまで夢中になって遊んでいたのに、急に他の親子をジーっと見つめて遊ぶのをやめてしまうなんてことはありませんか? 一人遊びをしている最中、見えたものや聞こえてきた声などに興味がわき、それを観察して吸収している段階です。

4歳ごろは「連合遊び」

まだ一人遊びをすることも多いですが、その場にいるお友達となんとなく一緒に遊んでいる風のことを連合遊びと言います。あくまでも【一緒に風】なので、「ここにおうちがあるってことね」とイメージを共有したり、「私はお母さんになるから、〇〇ちゃんはお姉さん」と役割があったりするわけではありません。

5歳以降は「共同遊び」

イメージの共有や役割を作ることもできるようになるのはこのころから。「ここがスタートでここがゴール」「私がオニをやるからみんなは逃げて」などと子ども同士でルールを決め、そのルールの中での自由を楽しんだり、個性を出したりすることができるようになります。

このように、成長に応じて子どもの遊び方にはパターンがあるのです。大人が思う「お友達と仲良く遊ぶ」というのは5歳以降の「共同遊び」。 

幼稚園や保育園の先生に「うちの子はお友達と仲良く遊んでいますか?」と聞いたり、気になったりすることがありますよね。しかし、共同遊びの時期以前は、一緒に遊ぶことができていなくても大丈夫です。また、これには個人差があるので、5歳になったら必ず共同遊びをするというわけでもありません。

お友達と一緒に遊ぶことよりも大切なこと
  1. 教室、先生、友達、目の前にあるものなどの環境に慣れること
  2. 自分がいる環境やまわりの人を観察して吸収すること
  3. 自分がいる環境を好きになる、安心できること

幼稚園や保育園に入園した、進級して新しいクラスになったなどの時は、環境が変わって子どもが不安定になりやすい時期。お友達と一緒に遊ぶことよりも、このようなことを優先するようにしましょう。

子どもの友だち関係でヒヤッとした時のかかわり方

遊んでいる子ども

「共同遊び」をし始めるのは5歳ごろとはいえ、乳幼児期は社会性を育んでいる真っ最中であるため、人とコミュニケーションを取りたい!というエネルギーが出ている時期。そのため、友達関係のことでヒヤッとすることは多々あると思います。「遊ぼう~」と言ってくれたり、園に到着した時に「おはよう」と駆け寄って来てくれたりしたお友達に対して、「〇〇ちゃんは来ないで!」「あっち行って」などと言ってしまうことも……。思わず「そんなこと言わないの!」と注意したくなりますが、叱ったりくどくどと説明したりする必要はありません。具体的にどのようにかかわればいいのかを紹介します。

「〇〇ちゃんは来ないで!」「あっち行って」

声かけ例
  • 来てくれたお友達に対して「おはよう!〇〇ちゃん来てくれたんだね。ありがとう」
  • 子どもに対して「来てほしくないと思ったんだね。どうして?」
  • 子どもに対して「来てほしくなかったんだ?でも、あっち行ってって言われたら〇〇ちゃんはさみしいから、“あとでね”って言おうね」

子どもがどんな態度を取ったとしても、大人はあくまでも自然なコミュニケーションを取るようにしましょう。子どもはその姿を観察して吸収しています。

「〇〇ちゃんのこと嫌い」

声かけ例
  • 「〇〇ちゃんのことを嫌いって思ったのね。でも、嫌いって言葉は人には言わないんだよ。なんでそう思ったの?」

この言葉を言われて相手はどう感じるかということは、3歳くらいの子どもには想像ができません。そのため、嫌いと思った気持ちを受け止めつつも、人に言ってはいけないという「制限」も必ず示すようにしましょう。そして、なぜそのように思ったのかを聞いてみることも大切です。すべてを言語化できないかもしれませんが、ヒントが見つかる可能性もあります。

「なんでやらないの?」「ちゃんとやりなよ!」

声かけ例
  • 「〇〇ちゃんは今はやりたい気分じゃないみたいだね。また今度声をかけてみようか!」
  • 「〇〇ちゃんと一緒にやりたかったんだね。でも、急に手を引っ張るとびっくりしちゃうから『たのしいからいっしょにやろう』って声をかけてみようか?」

3~4歳ころの子どもはまだ自己中心的で、人の立場に立って物事を考えることがまだできません。でも、社会性や言語を発達させている時期でもあるため、「人と関わりたい」「お世話をしたい」と強く思っています。そのため、言葉でのコミュニケーションの取り方や、人との距離の取り方を具体的に伝えていくようにしましょう。

乳幼児期は「自分=個」を育んでいる時期

歩く赤ちゃん

0~6歳の乳幼児期は、社会性を育み、他者とかかわることも大切です。しかし同時に、「自分」という「個」を創る人生において特に大切な時期でもあります。

そのため、無理やりお友達と遊んだり、仲良くしたりすることは、最優先にしなくても大丈夫! 私たち大人が「仲良くするのよ」と強要するのはあまり良いこととは言えません。子どものペースで、発達によって周囲に興味を持ち始めた時に、かかわり合っていくことを大切にしてあげたいですね。

もちろん、そこにはトラブルがつきもの。トラブルの中には子どもにとっての「学び」がいっぱいあるのです。トラブルが起きたときこそ、社会性やコミュニケーションを学ぶチャンスと捉えて、親子ともども成長していけたらいいですね。

まとめ

パパと話す子ども

お友達とコミュニケーションを取ることは、今すぐではなくても、今後必ず必要になること。まずは、大人がモデルとなって具体的に伝えていくことが大切です。トラブルが起きそうになった時は、回避させるのではなく、実際にトラブルが起きた時にサポートしてあげるようにしましょう。転ばぬ先の杖にならないよう、いつでも助けられるよう身構えておきたいですね。乳幼児期は「個」を創る大切な時期ということを忘れないようにしましょう。

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この記事を書いた人
本間綾
本間綾
ライター

出版社勤務を経て、出産を機にフリーランスに。育児書や児童書、Webメディアなど、ママパパ向けの媒体での執筆がメイン。7歳と11歳の娘の母。

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