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兄弟げんか、モンテッソーリ流かかわり3つのポイント

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兄弟姉妹のお子さんがいるご家庭では、毎日こども同士のけんかが絶えずお悩みの方も多いのではないでしょうか。「仲良く過ごしてくれたらよいのに」「どうしてけんかばかりするのだろう」とけんかの日々に疲れてしまっている方もいらっしゃると思います。

そこでこの記事では、兄弟げんかに大人がどのようにかかわっていったらよいか、モンテッソーリ教育の観点を交えてお伝えしたいと思います。

兄弟げんかでお悩みの方は、ぜひご家庭の様子と置き換えながら読んでみてください。

兄弟げんかの捉え方と鉄則

海を眺めるこどもの兄弟

さっき仲直りしたと思ったら、またすぐけんかをする。毎日どころか一日に何度けんかするのだろうと数え切れない兄弟げんかに疲れてしまっている方は少なくないと思います。こども同士のけんかは、家庭や園、どこでも起こることで決して珍しいことではありませんが、こどもの怒ったり泣いたりする声が頻繁に聞こえてくると、大人は「できるだけ心穏やかに過ごしたい」と思いますよね。

しかし、けんかはこどもがコミュニケーション能力や社会性を身につけていく機会にもなるので、やめさせることをゴールにする必要はありません。私たち大人のかかわり方が、こどもの生きる力を育んでいくことにもつながるので、それを意識したかかわりをしていきたいですね。

兄弟げんかにおけるかかわり方の鉄則は、「公平性を保つこと」「善悪を伝えていくこと」です。「お兄ちゃんだから我慢してね」「妹だからしかたがないよね」と立場によって判断するのではなく、あくまでも状況によって判断をしていくことが大切です。そして、よいことと悪いことについては、年齢関係なく伝えていく必要があります。

兄弟げんかにおける鉄則
  • 公平性を保つこと
  • 善悪を伝えていくこと

兄弟げんかのかかわり方の3つのポイント

それでは、2つの鉄則を意識したうえで、実際にかかわっていく際の3つのポイントを見ていきましょう。

かかわりからのポイント
  1. 線引を示す
  2. 一貫したルールを設ける
  3. こども同士で解決できるようにサポートする

①線引きを示す

1つめのポイントは、「線引きを示す」ということです。

言ってはいけない言葉を言ったり、手を出すなどの行為が見られた場合は、すぐに大人が入っていき「それはいけないこと」だと示す必要があります。

いくら相手に非があったとしても、社会的ルールとして、あるいは人として、言ってはいけないこと、やってはいけないことがありますよね。いけないことだと言葉で伝えたり、間に合えば手を出すことを阻止したり、といった対応で示していきます。

そして代わりにどのように伝えていくとよいかも、同時に伝えていきましょう

「取られて嫌だったんだね。でも叩くことはしないよ」「そういうときは『取らないで』とか『嫌だよ』って言おうね」などと伝えることができます。

②一貫したルールを設ける

2つめのポイントは、「一貫したルールを設ける」ということです。

具体的に一つおすすめしたいルールは、「先に使っているほうが優先される」ということです。乳幼児期のけんかのきっかけの多くは、ものや場所の取り合いであることが多いと思います。このときに「仲良く使おうね」と言って、大人が「あと3回使ったら交代しようか」などとタイミングを決めてしまうのはおすすめしません。

なぜなら、乳幼児期は目の前の物事を、満足いくまでやりきることで心身を発達させていく時期。この時期にしっかり「個」を育んでいくことが、のちのち他者への思いやりを育むことにもつながるので、先に使っているほうが心ゆくまで使えるというルールを徹底することがおすすめです。

そうすることで、もう一方は「待つ」ということを覚えていくことができますね。年齢が低く、待つことが難しい場合は、代わりのものを渡していく対応も効果的です。お互いに満足いくまで活動ができるので、結果的に両者とも満たされることにもつながります。

③こども同士で解決できるようにサポートする

3つめのポイントは、「こども同士で解決できるようにサポートする」ということです。

◆年齢が低い場合

0〜3歳くらいの年齢が低く、言葉を理解したり、伝えたりすることがまだまだできない場合は、こども同士で解決することは難しいので大人が介入する必要があります。

例えば、相手が使っていたものを横取りしてしまったり、手を出してしまった場合、ルールがわかっていないこと、表現方法がわかっていないことがほとんどだと思います。

やってはいけないことやルールを簡潔に伝えたうえで、「こういうときは『かして』って言うんだよ。一緒に言いに行ってみようか」などと、どのように相手に伝えたらよいか、コミュニケーションの方法を伝え、伴走していくことが大事です。そこで貸してもらえれば「ありがとう」と伝えることを、「終わるまで待って」「嫌だ」と言われたら待つということを覚えていくことができます。自分で伝えることができる部分があればこどもに託してよいですし、難しければ親がその姿を見せたり通訳をすることで、どのようにコミュニケーションをとっていったらよいかを示していきましょう。こどもは吸収する力をもっているので、この経験を繰り返していくことで身につけていくことができます。

◆話し合える年齢の場合

4歳以降、自分の気持ちや状況を言葉で伝えることができるような年齢になってきたら、徐々にこども同士で解決できるようにサポートしていきましょう。

言い争っていたとしても、それも学びの場として、こども同士のやりとりをギリギリのところまでは保障できるようにしたいものです。一線を越えた場合やヒートアップしすぎてここは大人が介入したほうがよさそうだと判断した場合は、大人が状況を整理する役割を務めるとよいでしょう。まずは順番にそれぞれの話を聞き、どうしたいか、何を感じているのか、何を伝えたいかなどを聞いて整理することがおすすめです。

そのうえで「じゃあどうしたらよいと思う?」ということをこどもに問いかけて、こどもたち自身が答えを出せるように導いていきましょう。こどもたちがルールを決めるというのもよいですね。こうしたことを繰り返しながら、相手の立場になって考えるということも徐々にできるようになっていきます。

家庭内だからこそ、こども同士のかかわりを保障したい

友だち同士のけんかの場合、親同士の関係性にも影響があるため、どうしてもすぐに解決させようとしてしまうことも多いと思います。しかし、兄弟間のけんかであれば、家庭内のことなので、こどもに託す、ということがしやすいでしょう。

自分が悪いとわかっている、でも素直に謝れない、ということは大人でもありますよね。それはこどもも同じで、自分の気持ちに折り合いをつけるのに時間がかかることもあります。そのため、その場で謝らせたり、仲直りさせたりする必要はありません。ときには翌日に持ち越すことがあってもよいでしょう。修復していくプロセスこそが、こどもにとっての学びとなるのです。ぜひ、こどもが自分で解決する力を身につけられるよう、大人が介入しすぎず、できるだけこども同士のかかわりを尊重し、保障していきたいですね。

まとめ

毎日一緒に過ごす兄弟姉妹、一度ルールや表現方法を伝えたらトラブルが起きないということではありません。何度もけんかをする中で、そのたびに大人が繰り返し表現方法を伝えたり、こども自身が思考したりして、徐々に他者を尊重することを学び、コミュニケーションや社会性を身につけていくことができます。

大人にとってはできるだけ避けたいトラブルではありますが、けんかもこどもの学びの場と捉え、大人がどのようにかかわるかを見つめ直していくことが大切だと思います。

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この記事を書いた人
モンテッソーリペアレンツ
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子育てに必要なモンテッソーリ教育のマインドや子どもへのかかわりを体系的に学び、あなたらしい「しなやかな子育ての軸」を育むためのオンラインスクールの運営を行っています。

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