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モンテッソーリ流 0歳児とのかかわり方と気をつけること

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0歳の1年間は自立に向かう大きなステップを踏む大切な時期

子どもは生まれた瞬間から一人の人間として生きていけるよう、「自立」に向かっています。そして、そのストーリーの主人公は子ども自身。私たち大人の役目は、この世界に先に生まれた存在として、子どもが自ら育とうとするのを見守り、時に手助けすることなのです。

生まれてすぐのころは、24時間お世話が必要な子どもも、1歳になるまでの間に、ごはんを食べること、ハイハイや歩くこと、言語でのコミュニケーションをとることなど、さまざまなことができるようになります。そのため、この1年間は、大きな変化を遂げる時期だと言えます。そんな大切な1年間に、どのように子どもとかかわるといいかをお話していきます。

親子の信頼感を構築するためのコミュニケーション

親子

0歳の時期に一番重要なのは、親子の基本的な信頼感を構築することです。「この世界は安心できるところ」「自分はちゃんと受け入れられている」「私は興味を持ってもらっている」という、基本的な部分を育んであげるためのかかわりをしてあげたいですね。そのため、子どもが泣いて不快を訴えた時は、声かけをしながら敏感に反応してあげるようにしましょう。

声かけ例
  • どうしたの?おむつが濡れちゃったのかな?
  • ちょっと時間がたってしまったから、ミルクが飲みたくなっちゃったね。
  • 何か怖いことでもあった? お母さんがいるから大丈夫よ。

泣くことでしかコミュニケーションが取れない時期は、このように声をかけながら、「不快」を「快」にしてあげるよう意識してかかわるのが基本です。このようなかかわりをくり返すことで、無意識化に肯定的な感情を得ることができます。

そして、言語を発するようになったり、大人の動きに反応するようになったりしたら、お世話だけではなく、手遊びや読み聞かせなどの生のコミュニケーションを取っていくことも意識したいですね。特におすすめのコミュニケーションをご紹介します。

おうちでルームツアー

ねんね期は特に、視界が限られてしまいますよね。外でお散歩するのもいいのですが、おうちの中を散策するのもおすすめです。普段自分が見ている景色と、抱っこをされて見られる景色は全然違うもの。それだけで、0歳児にはほどよい刺激となり、楽しむことができます。ルームツアーをする時は、「今日はこのお部屋を見てみようね。このお部屋は少し暗いんだね~」「写真が飾ってある。これはパパとママの結婚式の時の写真なんだよ」などと声をかけながら、ゆっくり歩いてみましょう。天気にも左右されずに、子どもの探求心を育んであげることができます。

もちろん、外でのお散歩もおすすめ! その際は公園や特別なところに行かなくても、近所の道をベビーカーや抱っこひもで歩いて、「きれいなお花が咲いているね。これはたんぽぽって言うんだよ」と、子どもと同じ目線で話をしてみましょう。その際、子どもが手を伸ばして触りたがったら、大丈夫な範囲で触らせてあげることも刺激になります。

「握る」「つまむ」ができる遊び

生後3ヶ月を過ぎると原子反射も徐々に消失していき、意図的に行動するようになります。中でも、何かを「握る」行為は初期のころから見られ、それが「つまむ」へと移行していくのです。子どもの様子を観察している中で、握る行為が見られたら、積極的に握らせてあげ、手指の発達をサポートしてあげましょう。

「握る」「つまむ」おすすめグッズ
  • ラトルなど握りやすく音のなるようなおもちゃを用意する
  • 子どもの手で持ちやすく、誤飲の心配がないくらいの大きさのボールを握る
  • 小さめの飲むヨーグルトのボトルの中に米やビーズを入れて、音が出るようにしたおもちゃを握る

このようなグッズを手渡すのもいいですが、できれば、ちょっと頑張れば取れる・たまたま手を伸ばしたら取れた、くらいの場所に置いてあげましょう。そうすることで、「自分で握る」ということを経験することができ、さらなる刺激となるのです。

ベビーマッサージ

触覚は五感の中でも大きな領域を占めているので、肌と肌が触れ合うコミュニケーションは、特におすすめです。おむつ替えのときやグズグズしている時など、ベビーマッサージをしてみましょう。方法は順序などが本格的ではなくても、お世話のついでに行うなどでも十分です。自分の好きな曲やポピュラーな童謡など、なんでもいいので、歌を歌いながらベビーマッサージをするのもいいですね。

4つの種類の場所を準備して「環境」を整える

大人にとっては慣れた環境の自宅とはいえ、10ヶ月もの期間をおなかの中で過ごしてきた赤ちゃんにとっては未知の世界。その中で道しるべとなっているのが、ママの匂いや声や心臓の音なのです。0歳期は「安心感を得ながら環境に適応する」ということを成し遂げたい時期

トッポンチーノ
赤ちゃんを抱っこする時に使う小さなお布団「トッポンチーノ」

モンテッソーリ教育を築き上げたマリア。モンテッソーリにより考えられた「トッポンチーノ」。自分の匂いや、大好きなお母さんやお父さんの匂いが染み込んだトッポンチーノをいつも使用することで、赤ちゃんは環境への安心感を得ることができます。また、誰が抱っこしてもいつも同じ心地よさが保たれるため、赤ちゃんに落ち着きや安らぎをもたらしてくれるのです。

そして、モンテッソーリ教育では、生まれたばかりの赤ちゃんに、4つの種類の場所に分けた環境でお世話をすることをおすすめしています。その4つの環境について説明しますね。

① 寝るところ

親子それぞれの寝室にする方もいるかと思いますが、生まれてすぐは授乳の回数も頻回のため、ママと一緒にいることが多いですよね。子どもにとって、安心して寝られる場所を確保しましょう。ゆくゆく「ここに来たということは寝るんだな」ということがわかるようになります。

② 食事(授乳)するところ

赤ちゃんにとって安心する場所というより、授乳やミルクをあげる人がリラックスできることが大切。座り心地のいいソファやいすなど、特定の場所を決めて、クッションや足置きなど、より快適性の高い工夫をするのもおすすめです。

③ お世話をするところ

着替えやおむつ替えをするスペースなので、この場所におむつやおしりふき、着替えなどを置いておくとスムーズに行うことができます。夜、寝ている時におむつ替えや着替えをしたい時は、わざわざここに来なくても大丈夫です。④の活動する場所と兼ねたい場合や、スペースを確保できない場合は、着替えやおむつ替えの時に、マットを広げてから行うなど、臨機応変に対応しましょう。

④ 活動するところ

生まれてすぐは寝ている時間が長いので、このスペースにいる時間は短くなります。起きている時間に自分の姿を見ることができる鏡や、ねんねの状態でも見られるモビールなどがあると、自分自身で探求することができ、良い刺激となります。また、先ほど話したような「握る」「つまむ」遊びに使うおもちゃなども、このスペースに用意するといいですね。

「でちゅよ」などの赤ちゃん言葉は要注意!

0歳児

0歳児と接していると、「犬=ワンワン」「車=ブーブ」「お茶=ちゃっちゃ」など、子どもが発語しやすい言葉を使うことがありますよね。0歳児は言語を獲得するため、大人の話し方や口の動きなどをじっくり観察して、吸収している最中です。そのため、気をつけたほうがいいことがあります。

声かけ例
  • ワンワンがいるね。ワンワンは犬って言うんだよ
  • 〇〇くんはブーブが好きなの?車は速く走るよね
  • 暑いからちゃっちゃを飲もうね。お母さんもお茶を飲もうかな

このように、子どもが発語しやすい言葉に正しい言葉を添えて、セットにして声かけをするようにしましょう。

また、赤ちゃんがかわいくて、つい「でちゅね」などの赤ちゃん言葉を使ってしまうことがありますよね。しかし、言語獲得のために、大人の話し方や口の動かし方を吸収している0歳児にとって、このような赤ちゃん言葉は、間違った発音を覚える原因になってしまいます。子どもは吸収したもので形作られます。中でも言葉は触れたものしか発することはありません。そのため、子どもの前で口にする言語には注意をしていきたいですね。

まとめ

0歳児とのかかわり方
  • 親子の信頼感を構築するコミュニケーションを取る
  • 手軽にできる遊びや触れ合いを日常的に取り入れる
  • 寝る、食事、お世話、活動の4つの種類の環境を作る
  • 子どもの前で使う言葉に気をつける

生まれてきた子どもにさまざまなものを見せてあげたい、触れさせてあげたいと思うあまり、おもちゃを買ったり、がんばって毎日外にお散歩に連れて行ったりしている方も多いのではないでしょうか。そういった行動ももちろん、子どもにとってしげきになっていますが、生まれたばかりの子どもにとっては、ただ生きているだけで刺激がいっぱい!

大人にとっては当たり前の風景でも、子どもにとっては刺激的なものです。0~1歳は変化の大きい1年間なので、まずは基本的な信頼感を構築して、少しずつ日常生活に慣れるようかかわっていきたいですね。

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この記事を書いた人
本間綾
本間綾
ライター

出版社勤務を経て、出産を機にフリーランスに。育児書や児童書、Webメディアなど、ママパパ向けの媒体での執筆がメイン。7歳と11歳の娘の母。

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