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外出先で寝転んで泣く…「ダメなものはダメ」を貫くべき?人前でのかかわり方


杉浦あきえ(モンテッソーリ教師あきえ)
国際モンテッソーリ教師、幼稚園教諭、保育士
「こどもが尊重される社会をつくる」ことをビジョンに、子育てのためのオンラインスクール「モンテッソーリペアレンツ」ファウンダー、ベビーブランド「mu ne me」運営、オンラインコミュニティ「Park」運営を行う。
プライベートでは二児の母(9歳,4歳)
スーパーやお店などの公共の場で、こどもが寝転んで泣いてしまう。
とにかく周りの視線がすごく気になるし、家庭と同じ対応ができなかったりもして、どのように対応したらいいか迷ってしまう。同じように悩まれている方も多いのではないでしょうか。
「スーパーで寝転んでイヤイヤ。泣き止むまで1時間かかっても、一貫性は貫くべき?」などというご質問をいただくこともあります。
今回の記事では、外出先でこどもが寝転んで泣いてしまったときのかかわり方と、人の目が気になるときの大人の心の持ちようについてお伝えします。
基本は、家庭にいるときと同じかかわりを

つい周りが気になるので、早く泣き止ませたい、とりあえず泣き止んでほしい、という思いが高まってくるとは思います。
でも基本的なかかわり方としては、家庭にいるとき、人の目が気にならないときと、全く同じかかわりを心がけたいところです。
1. まずは共感する
こどもなりに何かしら理由があって、怒って泣いています。一見それが大人から見るとわがままかもしれないけれども、やっぱりまずは共感ですよね。
「そっかそっか、それが嫌だったんだね」
2. 境界線と別の案を示す
とはいえ、共感するからといって、何でも叶えてあげられるわけではありません。
「これはできるけど、これはできないから、こういうふうにしようね」
できることとできないことの境界線をしっかり示してあげた上で、「こういうふうにしよう」「これはどうかな」と、別の案を示していってあげます。
泣いているから、人の目が気になるから、とにかく泣き止ませる。そうではなくて、こどもの理由に寄り添いながら、どうすることができるかを、私たちは落ち着いて示していってあげたいと思います。
「ダメなものはダメ」は貫いたほうがいい?

結論は「イエス」です。貫いたほうがいい。
1. こどもは「境界線」を学んでいる最中
こどもは、何ができて何ができないか、その境界線がどこにあるのかを、今まさに学んでいる最中です。
たとえば「おもちゃは買わない」「お菓子は買わない」と言っていたことに対して、こどもがいっぱい泣きます。最初は「できないよね」と寄り添いながら言うけれど、それでもこどもは、わーっと泣いて、この壁を乗り越えようと頑張ってくるわけです。
そこで周りの目が気になって「じゃあいいよ」と、あったはずの壁を下げてしまうと、こどもは「あれ? いけるんだ」と学んでいきます。
普通に交渉しても無理だけど、これぐらい泣いてわーっと言えば、大人は困って周りの目が気になるから、壁を下ろすんだ。そう学んでいってしまうと、どっちが高くやるかの勝負になってしまうんですよね。
2. 自分で折り合いをつける経験を
本来学んでほしいのは、自分のやりたい、でもできない、ということに、時間がかかってもいいから自分で折り合いをつけていく経験です。まだまだ脳が未熟で、自分を自制する力も今まさに育んでいるところなので、それを時間をかけてやっていくことが必要です。
ダメなものはダメだと言ってあげることが、厳しいようで、実は一番の優しさだったりするのかなと思います。
3. 理由と代わりの案を伝える
ただ、やみくもに「ダメ、絶対ダメ」と怒る必要はありません。
大事なのは、なぜダメなのか、どうしてそれができないのか、理由をお伝えすることです。年齢が低いと「言ってもわからないかな」と思うこともあると思いますが、やはり言ってあげたいところです。
その上で、何だったらできるかという代わりの案を示していきます。それで納得してくれないこともあります。でも諦めずに、「これはこういう理由だからできない。でもこれだったらどうかな」と向き合っていく。そのプロセス自体が、実はすごく大事です。
泣けば要求が通ると学んでしまうと、その一時はいいけれど、今後の対応はかえって難しくなってしまいます。
人の目が気になるときは「もう二度と会わないから」

人の目が気になっているときに、自分に言ってあげてほしい言葉があります。
「もう二度と会わないから」
1. 「もう二度と会わない」と自分に言い聞かせる
スーパーや公園、電車で、その場で会っている人ともう一度会う確率のほうが少ないですよね。一方で、こどもとは一生の関係性です。
天秤にかけたら、今こどもとどう向き合うかのほうが圧倒的に大事なはずなのに、ついつい、どう見られるかという自分たちの不安が勝ってしまう。
だからそういうときは、「二度と会わないから大丈夫だよ」と、自分に言い聞かせてみてほしいと思います。
2. 場所を変える
とはいえ、周りを気にしながらこどもに注力するのは、すごく難しいです。そこでおすすめなのが、場を変えることです。
- 電車なら、次の駅で一度降りる
- スーパーなら「ここは通路だから、ずっと泣いていることはできないね。あっちに行こうね」と伝え、抱きかかえられる年齢なら「ちょっと抱っこするね」と言って移動する
泣いていることがどうこうというより、注目を浴びているから、私たちも気になってしまうんですよね。人からの視線が気にならないような角に移動するのがおすすめです。
私にも10歳と4歳の娘がいますが、幾度となく隅のほうに移動してきました。「ここだったら泣いてていいよ。でも通路の真ん中で泣いているわけにはいかないかな」と。
誰も見てない、気にしない、と自分に問いかけながら、実際に物理的にも人の目から離れる。それも結構大きいと思います。
泣き止むまで時間がかかりそうなときは?

1時間、2時間と泣き続けるお子さんもいると思います。それだけその対象に強い思いがあるのかもしれないので、納得するまで付き合えたらいいですよね。
1. 理由とともに上限を伝える
とはいえ、私たちにも次にやらなきゃいけないことや、行かなきゃいけないところがあって、全てのときにそうはいきません。時間のお尻があるなら、理由とともに上限を伝えて大丈夫です。
「ごめんね、ここまではここでお話聞けるんだけど、あと少ししたら行かなくちゃいけないんだ」
2. 場面を切り替える
それでも、こうなったら何時間でも泣き続ける、という場合は、こちらが半強制的に場面を切り替えることもすごく大事です。同じ場所で状況も条件も変わらない中で、自分の気持ちだけを変えていくのは、とても難しいからです。
- 泣いててもいいから、とにかく車に乗ってもらう
- 歩き出す
- 「いっぱい泣いて汗かいたから、飲み物だけ買いに行こう」と、何か違うことをする
お子さんの状況やタイプを見ながら、一定のところで切り上げて、あえてこちらから変えてしまう。そういうことが必要なときもあると思います。
出かける前にできること
1. 起きやすい「傾向」をつかむ
一番は、どういうタイミングでそれが起きやすいか、傾向をつかむことです。
我が家の場合は、向こうから来る刺激に弱かったんです。公園では起きないけれど、量り売りのグミやキャンディーがあって、キャラクターが訴えてくるような、いわゆる商業施設に行くと、あれもしたい、これも欲しい、これ食べたい、となる。でも、そのたくさんの欲求のうち叶うのなんて一個あるかないかぐらいですよね。情報が多すぎて、本人もどう処理していいかわからなくなる、ということもありました。
2. 本人のコンディションを整える
外の要因だけではなく、本人のコンディションも大きいです。寝不足、眠い、お腹が空いている。人間として生きていくための基本的な欲求が満たされていないと、自分をコントロールするという、とても高いレベルのことは難しいんです。
- お腹が空かないように、早め早めに食事をとる
- 眠くなってしまう前に、落ち着いて寝られるよう帰る
外的な要因と、本人のコンディションという内的な要因。どういう掛け合わせだと本人も処理しきれなくなってしまうのかを大人が見て、未然に防いでいってあげることが大切です。
最初は「なんでこんなになっちゃったの?」となると思います。でも何度かあれば、お腹が空いたとき、前の日にすごく遊んだ翌日、など共通点が見えてきます。こちらもヘロヘロになりながらでも、振り返って傾向をつかんでいきたいところです。
みなさんの「これって大丈夫?」にお答えします

Q. 出かける前に約束しても、お店に着くと約束どころではなくなります
あきえ目の前に欲しいものが現れたら、ぴゅーんと飛んでいっちゃいますよね。だから、たとえばお菓子なら、お菓子コーナーに着く前、目に入る前に、「約束覚えてる?」「今日お菓子何個だったっけ?」とリマインドします。
それでも、見ていたらあれもこれも欲しくなると思います。でも、それも全く無駄ではありません。
約束してすぐ守れるようになる、という短距離で、私たちはこどもの育ちをサポートしているわけではないんです。守ってみようと思ったけれど、いざ目の前ではできなくなった。そのときにどうするかという挽回の仕方も含めて、学んでいるんですね。
「今日は一つだったよね。また次のときにこれ買おうよ」と伝えて、たとえば携帯のメモに書いておく。私たちも覚えていて、それを実行する意思があることを示してあげる。そういう本当に小さい行動の積み重ねが、意義のあるものになると思います。
Q. 落ち着いたあとに、こどもと一緒に振り返ってもいい?



いいと思います。
発達段階や年齢によっては「え? 何かあったっけ」となることもありますが、会話が成立するのであれば、それも一つかなと思います。
責めるわけでもなく、言い聞かせようとか、次の約束を絶対固めようとかでもなく、純粋に「あのとき、どういう気持ちだったの?」と、本人のことを知りたい。そういう動機であれば、すごくいいと思うんです。
こどもも自分の気持ちを振り返って言葉にすることで、自分はそういう状態だったんだと、俯瞰することにもつながります。もちろん、こどもが恥ずかしい、嫌だと嫌がるのであれば、そこまでで大丈夫です。
私も実際にやります。そのときにはわからなかった思いを「こういう思いでこうしてたんだよ」と教えてくれるので、「そうなんだ、それを表現するとギャーなんだね」と気づくこともあります。
最後に
外出先で泣かれることは、悩んでいる方にとってはすごく深刻なことだと思います。
でも、大丈夫です。周りにいる方とは、もう二度と会いません。でも、こどもとの関係は一生です。
こどもとのかかわりの中で、こどもが何を学んでいけるか。そこを大切にしていただけたらと思います。
この記事の内容は動画でも解説しています。ぜひご覧ください。






