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手が出る(叩く・押す・噛む)時の本当の理由と今日からできるかかわり方

「お友達とおもちゃの取り合いになって、つい手が出てしまった」
「気に入らないことがあると、すぐに叩いたり噛んだりしてしまう」

我が子のそんな姿を見て、
「私の育て方が間違っていたのかな?」
「愛情不足なんじゃないかな?」
と、自分を責めてしまうことはありませんか?

保育園のお迎えで「今日もお友達を押しちゃって…」と報告を受けると、帰り道でズンと重い気持ちになってしまいますよね。

あきえ

実は私自身も、過去にそんな経験があります。園のお迎えの時に先生から「今日、お友達を叩いてしまって…」と報告を受け、帰りの自転車を漕ぎながら「はぁ…」と重い気持ちになった日のことを、今でもよく覚えています。

「親の愛情が不足しているのではないか」
「ずっとこのように手が出る子になってしまうのかな」と不安になることがあるかもしれません。
でも、安心してください。
こどもが手を出してしまうのは、決して親の愛情不足性格の問題が理由ではありません。

今回は、モンテッソーリ教育の視点から、こどもが「手を出してしまう本当の理由」と、今日から家庭でできる「具体的なかかわり方」についてお伝えします。

目次

なぜ手が出てしまうの?本当の理由

まず知っておいていただきたいのは、こどもは決して「相手を傷つけたい」と思って手を出しているわけではない、ということです。

大きな理由は、「発達の未熟さ」にあります。

1. 脳のコントロール機能が未発達

私たち大人は、イラっとすることがあっても「ここで叩いたらダメだ」と理性を働かせて我慢できますよね。
これは脳の「前頭葉」という部分が働いて、衝動をコントロールしているからです。

しかし、こどもの脳はまさに今、発達の真っ最中。
感情や衝動を抑える機能がまだ完成していないため、湧き上がった感情がそのまま体の動き(叩く・押す)として出てしまうのです。

2. 言葉で伝えられないもどかしさ

もう一つの大きな理由は、言語能力の未熟さです。

想像してみてください。
あなたが全く言葉の通じない外国に一人で放り込まれ、周りの人々が何を言っているか分からず、自分の伝えたいことも全く伝わらない状況を。
すごく不安で、もどかしくて、イライラしませんか?

こどもはまさにその状態です。
「貸してほしい」「やめてほしい」という気持ちはあるのに、それに合う言葉がすぐに出てこない。
だから、言葉よりも先に出やすい「手」を使って表現してしまうのです。

これだけは避けたい!4つのNG対応

では、手が出てしまった時、どう対応すればよいのでしょうか。
まずは、やってしまいがちですが避けたほうがよい対応(NG対応)を4つご紹介します。

避けたほうがよい4つの対応(NG対応)
  • 力でねじ伏せる(叩き返す)
  • 理由を聞かずに頭ごなしに叱る
  • 罰を与える
  • 放置する(諦める)

1. 力でねじ伏せる(叩き返す)

「叩いちゃダメでしょ!」と言いながら親が叩いてしまうと、こどもは「気に入らない時は力で解決していいんだ」と誤って学習してしまいます。

2. 理由を聞かずに頭ごなしに叱る

こどもなりの「理由」を聞かずに叱り続けると、「分かってもらえない」という不信感につながり、親の言葉が届かなくなります。

3. 罰を与える

「ご飯抜き」「おもちゃ没収」など、その出来事と関係のない罰を与えても、正しい行動の学習にはつながりません。

4. 放置する(諦める)

「どうせ言っても変わらないから」と何も言わずに放置するのもNGです。即効性はなくとも、伝え続ける必要があります。

今日からできる!具体的なかかわり方3ステップ

それでは、実際に手が出てしまった(出そうになった)時、どのように関わればよいのか。
効果的な3つのステップをご紹介します。

手が出てしまうときのかかわり3ステップ
  • 即座に制止する(安全確保)
  • 気持ちを代弁・共感する
  • 適切な行動(代替案)を教える

ステップ1:即座に制止する(安全確保)

手が出ている最中や出そうな時は、遠くから口だけで注意するのではなく、すぐに駆け寄って体を使って止めます

そして、短く端的に伝えます。
「叩きません」「押さないよ」

長々とお説教をする必要はありません。まずは行動を止めることが最優先です。

ステップ2:気持ちを代弁・共感する

行動を止めたら、次はこどもの気持ちに寄り添います。
手が出てしまった背景には、必ずその子なりの理由(「おもちゃが欲しかった」「邪魔されたくなかった」など)があります。

「あのおもちゃが使いたかったんだね」
「順番抜かされて嫌だったね」

「あなたの気持ち、分かっているよ」という態度を示すことで、こどもは落ち着きを取り戻し、親の話を聞く態勢が整います。

ステップ3:適切な行動(代替案)を教える

最後に、叩く代わりにどうすればよかったのか、具体的な方法を教えます。

「『貸して』って言うんだよ」
「『待ってて』って言えばいいんだよ」

言葉が出にくい年齢であれば、ジェスチャーを教えるのも有効です。
「手」ではなく「言葉(コミュニケーション)」で解決できることを、根気強く伝えていきましょう。

みなさんの「これって大丈夫?」にお答えします

Q. 相手のお子さんが泣いてしまっている時、どう対応すればいいですか?

あきえ

まずは相手のお子さんへのケアを優先しましょう。

自分の子に「どうしたの?」と聞きたくなりますが、相手が泣いている場合は「痛かったね、ごめんね」とまず謝り、その場のケアを行います。
その上で、我が子には「〇〇したかったんだね」と気持ちを受け止めつつ、「でも叩くのはナシだよ」と伝えます。もし我が子が謝れない場合は、親が代わりに謝る姿を見せるだけでも十分な学びになります。

Q. 何度注意してもヘラヘラして、響いていない時はどうすれば?

あきえ

「真剣さ」を雰囲気で伝えましょう。

長々とお説教をしても、こどもの耳には届きにくいものです。言葉は短く、「叩きません」と真剣な表情と声色で伝えましょう。
鬼のような顔で怒鳴る必要はありませんが、「親御さんは本気で言っているんだ」という空気を醸し出すことが大切です。

最後に

これらの対応をしても、明日すぐに手が出なくなるわけではありません。
子育ては、20年、30年とかかる長いプロジェクトです。

「100回言ったら変わるかな?」くらいの長い目で捉え、焦らず向き合っていきましょう。
今の姿が将来の姿ではありません。

そして、毎日頑張っているご自身のことも、どうか大切にしてあげてくださいね。
親御さんの心が安定していることが、こどもの安心感にもつながります。

この記事の内容は動画でも話しています。是非合わせてご覧ください。

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